警備員は色々な性格の人が集まるので、大所帯の警備隊として仕事をしている現場では、警備員同士のトラブルが発生する事があります。「警備員は面倒な人付き合いが要らない」と聞く場合もありますが、配属先の現場によっては全く逆の状況にもなるので注意が必要です。
施設警備員は同僚とのトラブルも多い
施設警備員は多くの現場で、毎日同じ警備員と顔を合わせ仕事をしています。
しかも、メンバーによっては当直勤務もあり、24時間同じ空間にいるのです。
家族よりも一緒にいる時間が長い、と聞くとそれは長いと感じる事ではないでしょうか。
私も10年前の商業施設の現場で当直勤務をしていましたが、数年間という長い間同じ警備員さんと24時間の勤務をしてきた事もあり、今でも当時の隊員さんの名前や顔を覚えている位です。
そうかと思えば、たった数年前に日勤でしか勤務に入っていなかった隊員さんは、名前はうっすらと憶えていても、顔まではハッキリと思い出せない有様です。
それほど、施設警備員は相勤者と一緒にいる時間が長いという事なのです。
施設警備員として多くの隊員さんと同じ場所に集まっていると、中には相性の良くない人もおり、最悪ケンカになってしまう事もしばしば。
警備員なんて所詮烏合の衆、一癖も二癖もある様な人の集まりで、そんな人たちが集まって何も起きないはずもありません。
警備隊の年齢も40歳くらいの年の差なんて当たり前な環境で、皆仲良くなんてなかなか出来る事ではありません。
過去にはお互いの年齢差が20歳くらい年の離れた警備員が、口げんかどまりでしたがかなりの熱量で言い争いをしている時もありました。
原因もお互い様の様なもので、内容を聞いても本当にくだらない事だったりします。
「いい大人がそんな事で言い争うなんて」
と呆れる様なケンカで、警備員が集まるとろくでもないな、と思った出来事でした。
一人の現場もあり気楽だが業務責任は大きい
施設警備員がどうしても大所帯になってしまうのは仕方がありません。
建物という大きなものを管理をする時に、少人数では管理しきれないので、どうしても人数が多くなってしまうからです。
それでも、中には一人の警備員でも管理できる物件もあります。
同じ様な建物でも、管理内容の規模が小さく一人でも十分対応できるので、何人もの警備員を配置させなくとも管理が可能なのです。
これをいわゆる
「一人現場」
と呼んでいますが、この様な現場なら周りにくだらないケンカをする警備員はいません。
私は今のところ「一人現場」での施設警備の経験はありませんが、60歳を超えた時にそんな現場での勤務に出会えるようであれば、ぜひ勤務してみたいと思っています。
一緒に仕事をする警備員の嫌な面を見る事も無く、自分の警備業務に集中できる環境はさぞ仕事がしやすい事でしょう。
しかし、そんな「一人現場」でもデメリットはあります。
警備員が自分一人しか居ない、という事は
「自分のした仕事が全部自分の責任になる」
という事です。
自分一人しか居ないので、何かやらかしてもそれは自分のしでかした事です。
また、対応が出来なかったとしてもそれは同じで
「自分自身の警備員としての力量が露呈する現場でもある」
のです。
この中には、警備員の仕事を始めようとしている人もいるかもしれませんが、人と接するのが苦手だから「一人の現場」で警備員の仕事が出来るのならそこで働きたい、と思っていてもいきなり経験もなしで一人現場で仕事を始めると後で苦労する事になるかもしれません。
また、警備員の中には人とコミュニケーションを取るのが苦手、という感じの人がたくさんいます。
そんな人たちが憧れる「一人現場」ですがそれなりな知識や経験が無いと「使えない警備員」と判断され外されるかもしれません。
同僚にもお客様に対してもコミュニケーション能力は必要
警備員の多くの人が、人と接する事が苦手であったり、仲間の警備員と険悪な状態になってしまっている人が居ます。
こういった人を何人も見てきましたが、この様な人たちはみな
「警備員をサービス業」
と理解できていないのではないかと感じています。
警備業をサービス業として見ていないので、お客様に対して怒らせてしまうような態度をとったり、言葉遣いに気を使えなかったりするのです。
しかし、もともとコミュニケーション能力の低い人が警備業に集まってきている状態でもあるので、対応を受けた相手が満足のいく様な行動をとる事は難しいでしょう。
「警備員は接客業の様なものだ」
まずは、研修時にこの認識をしっかりと教育する事が優先なのではないか、と個人的にはそう思います。
ウチの現場にも、何名かはこの「警備員はサービス業である」という事を十分承知している方もいますが、やはりその様に理解している隊員さんは、サービス業であると理解していない隊員さんよりも、お客様に対する受け答えのレベルは高いです。
日頃から、お客様や同僚に対してコミュニケーション能力を高めるような努力をしていないと、言葉や理解のすれ違いで同僚同士でケンカはするわ、来客者やクライアントに対して誤解を与える様な言動をしてクレームが入るわ、となってしまいます。
自分のコミュニケーション能力がどれだけのモノか分からないかもしれませんが、今まで人とトラブルになった事がある人や、お客様やクライアントからクレームを貰った事のある人は、もしかしたらコミュニケーション能力が低いのかもしれないので注意が必要です。