今警備員の仕事している人で、数年以内に警備員の仕事を辞めて今以上に生活が向上し安定した仕事に就く予定の人はいますか。そういった予定の無い警備員さんは、もしかしたら60歳を超える年齢になってもやはり警備員の仕事をしているのかもしれません。将来60歳を過ぎて警備の仕事を続けていくら稼いで生活しているのか、そしてその先何歳まで働けば良いのか考えた事はありますか。
高齢者が増える警備業界では定年退職が無い
警備業界は万年人手不足で、常に求人を出している状態です。
面接へ行けば余程の人でもない限り、ほぼ合格するでしょうし、中には入社祝い金が貰えたりや誰かを警備会社へ紹介した事で、紹介料までもらえる所もある位です。
そんな斡旋をしても、なかなか人が集まらず現役の警備員さんの中には、70歳を優に超える様な隊員さんが今日も路上で旗を振ったり、出入管理の受付で相手の声を何度も聞き直して受付業務をする高齢警備員さんが活躍しているのです。
一応、警備会社にも定年制を敷いてはいるのですが、何かと条件を設けて定年後も引き続きそこの警備会社で働いて貰って・・いや、働かせているのが現状です。
また働く側の高齢警備員さんも
「こんなじじいでも雇ってもらえ稼がせてくれて有り難い」
と、どちらにとってもwinwinな状態である為、警備業界ではある意味
「定年は有って無い様なもの」
となっているのです。
そんな高齢者をそこまで働かせる理由に、生活費だけでは老後を満足に過ごせない、という原因があるのではないでしょうか。
年金だけでは生活できないから働くという事
ある年齢に達すると、年金がもらえます。
ニュースなどで、この先年金を受け取れる年齢の上限が上がるかもしれないという事がたまに話題として上がりますが、そんな事になったら一体いくつまで現役として働かなければならなくなるのでしょうか。
働かなければ生活できない
こんな誰でもわかる様な単純な事なのに、企業の定年と年金の受け取りのタイミングがズレている為に、空白期間が生まれてしまい無職状態になる期間、高齢者は何かしらの仕事を始めなければならなくなるのです。
そんな中での「警備員として働く」という選択肢なのです。
警備業界は人手不足なので、高齢者といえど完全なウェルカム状態です。
他所では敬遠されるような年齢でも、よそでは専門的な知識が必要であったとしても
「警備員の仕事なら未経験でも問題ありません」
これが警備業界を支えている正体でもあるのですが、年金だけでは生活できないから警備員として働く、という形はいつまでも続くものではないと思っています。
今では高齢者の人口はとても多く、警備業界内でも非常にたくさんの高齢警備員さんが働いています。
彼らは生活費を稼ぐため、警備業界しか雇ってもらえない為、という理由で警備業界へ仕事を貰いに来ていますが、今の高齢警備員が90歳や100歳になっても働けるわけではありません。
多くの高齢警備員さんは60歳後半から70歳代だと思いますが、いつかはその年齢の警備員さんがごそっと抜けるのです。
その頃になれば、人手不足を解消する様なドローンやAIの技術によって少ない人員でも警備業界を支える事が可能なのかも言しれません。
さてその時、今現在4~50歳代の現役警備員さんはいったいどうなるのでしょうか。
高齢警備員を馬鹿にするのは将来の自分を馬鹿にする事
今4~50歳代の現役警備員さんは、余程逆転の人生でもない限り、この先も警備員の仕事を続けている事だと思います。
警備員の仕事を始めると、警備員の仕事から抜け出せなくなる
という言葉を聞いた事がありますが、これは私も実際に実感している事でもあります。
特に楽な現場を一度経験してしまうと、世の中の普通の仕事には戻れないでしょう。
そんな警備員の仕事を始めた人が、この先60歳を超えてもやはり警備員の仕事を続けている事になると思います。
今現在、一緒に働いている高齢警備員さんを見てください。
定年を迎えても、なお働かなければならず、日頃から体のあちこちが痛いと話すさまを見てどう思いますか。
「老人のくせにいつまでも働いているから」
その姿は、60歳を超えた自分自身と言っても過言ではありません。
普段から邪魔者扱いをしている高齢警備員さんは、実は将来の自分自身なのかもしれないのです。
この先、警備員以外の仕事に就く予定もなく、かと言って仕事を辞めて莫大な貯金で悠々自適に生活できるわけでもなく
「将来も警備員の仕事を続けるしかない」
自分自身なのです。
今はまだ年齢も若い方なので「何とかなるでしょ」と何も考えていないのかもしれませんが、何もしなければこの先も同じ警備員の仕事を続ける事になるでしょう。
しかも、いつか馬鹿にしていた高齢警備員に自分がなるなんて思ってもいなかったでしょうか。
10年先や15年先なんてすぐにやってきます。
その時に自分がどうなっているか、今なら何かするのに間に合うのではないか、手遅れになる前に一度よく考えてみてはいかがでしょうか。