今まで経験してきた施設警備の現場では、雑務などの管理は特にだれがやる、という決まりになっていない所が多く、気が付いた人がやるか責任者がする場合が多かったです。「誰かがやるだろう」というのがくせ者で、他人任せなタイプの人が多い現場では自発的に行動する人は中々おらず「動いたら負け」というチキンレースな状態になっていました。
警備員の雑務は誰がやる
警備員は契約で仕事を貰い、契約書に記載された仕事を同僚の警備員と時間ごとで交代で仕事をしています。
この業務は決められた仕事なので、必ず実施しなければなりませんが、それ以外にも仕事はあります。
いわゆる雑務というもので、契約内には無いが日常として行うものがあります。
たとえば、警備室内の清掃や片付け、書類の整理や備品の準備など現場ごとで必要な物は異なります。
この雑務は多くの現場では気付いた人がやるという場合が殆どで、誰かが管理してくれるのでその現場での全体の業務も滞りなく実施出来ます。
しかし、この「気付いた人がやる」というものがかなりくせ者で、多くの場合気付いた人というのは大抵いつも同じ人なのです。
誰かがやるだろうという精神
誰もが、面倒な事をしなくて済むのならやらずに済みたい、という気持ちはあるでしょう。
やらなければならない仕事を責任をもって行うのは当然ですが、特にその仕事が自分でなくても気付いた人がやれば良い、というものになると「誰かがやってくれるだろう」という気持ちになるのも分からなくはありません。
気付いた人がやるとなると、気付かなければやらなくても良い、という捉え方をする人が一定数おり、気付いていても「誰か早く気付いて終わらせろよ・・・」と
チキンレースが始まるのです。
そうなると一向に誰も手を付けなくなり、チキンレースに参加していない本当に気づいた人が対応に入るのです。
こんな事の繰り返しで、毎回気付いた人は同じ人となり、いつの間にか気付いた人がやるではなく、チキンレースに負けた人がやるという間違った流れになります。
過去の現場でもこのチキンレースな状態になった事があり、気付いた人や責任者が雑務をする事になっていました。
これでは真面目に仕事をしている人が可哀そうですよね。
雑務を分担化できる現場
その為、契約に載っていない雑務でも当番制にして、必ず全員が雑務を実施する様に決まりを作りました。
清掃や備品の準備なども、気付いた人でなく全員が行う事で不公平感も無くなります。
気付いた人がやるという一見よさそうな決まりでも、誰かがやるだろうという気持ちを持った人が数人いると、やる人が毎回決まってしまいます。
雑務を分担化する事で、今まで気付きもしなかった様な人もその雑務に関心が向く様になり周りの事に気を使える様になります。
警備員は気の利く人もいれば全く無頓着な人など多種多様な人が集まっています。
そんな現場では気が付いた人が行う、という性善説で仕事をさせるのではなく、全員に同じ仕事をさせて雑務もみんなで協力して行う、という形にした方が上手くいくと思います。