先日、夜間の外周巡回中のこと、いつもの順路に何か塊が落ちているのに気がつきました。一瞬「え、何?」という反応で身構えましたが、近くの外灯の明かりでそれがすぐに危険なものでない事だと分かったのです。
暗くて判別がつかない恐怖
警備員が外周巡回をしていて、気をつけるモノの一つに
「不審物」
があります。これは警備員の仕事をしている人なら会社や先輩警備員からさんざん言われている事だと思います。
「不審物には十分気を使え」
という事です。
建物の中の巡回でも同じですが、いつもと違うものが落ちている時は、どんな危険な物かもわからないだろうから、慎重な対応をしろという事です。
今回の不審物はまず外である事と、明かりが近くにあったとはいえ一目ではそれが何か判別できませんでした。
ここの現場は現在まで事件性のあるような事案は発生していませんし、ある程度決まった人物しかうろつく事が出来ないエリアなので、早々危険なものでは無いだろうとういう予想もしていたのです。
警備員が想像で物事を判断してはいけないのですが、それは予想通り危険なものではありませんでした。
近くの外灯でどんな物であるか分かったのですが、それはその外灯の電球交換をした交換済みの方の電球でした。
設備の方が昼間に電球の交換をし、それを回収する事なく置いて行ってしまったようです。
翌日確認をして、設備の方に回収していただき不審物騒ぎは一件落着したのです。
まあ、外周巡回時に私が気がつかなくても、翌日の日中に電球が落ちているのに気づいて回収していた事でしょう。
外周巡回時に異常に気づけるか
落ちていたモノが特に危険な物でなくよかった、という話ですが、これに警備員が気が付けなかったらそれはそれで問題ですね。
夜間の外周は外が真っ暗で頼りになるのは路上の外灯のみです。
手元には持参した懐中電灯がありますが、これは点灯したまま回るものではありません。
明かりを煌々とつけて、自分から存在場所を知らせる様な事は、不審者にとってそれほどわかり易いものは無いでしょうから。
そんな状態で、いつもの順路にものが落ちている事に気が付ける様に毎回気を使って巡回しなければなりません。
外周巡回時は特に気を使う必要がありますね。
警備員の仕事をするようになって毎日同じ道を歩くようになると、見知った道という事で周りに気を配らなくなりがちです。
初めて歩く場所こそ、周りに気を配っているまさに逆の状態になるのです。
なので、仕事に慣れてきた警備員さんが巡回時に見落としをしない様にするには
「いつもとは違う変化を見つけよう」
という事を意識すると意外と気がつきやすくなりますよ。
むやみに近寄らず触らない事
いつもとは違う何かを探そうとして、本当に何かを見つけた時、むやみに近寄ったり、気軽に触れてはいけません。
爆破予告などがあり、初めから警戒しながら見つけたものに対しては、簡単に触れようとはしないと思いますが、何もない毎日の巡回時にふと見つけた不審物の場合は、無意識に触ってしまう場合があります。
まあ、余程危険なものに遭遇する事は少ないと思いますが、それは全くのゼロではありませんよ。
特に警備員のような仕事をしている人にとっては、一般の人よりも危険に遭遇する可能性は高いと思った方が良いです。
普通に道を歩いている一般の人とは違って、警備員は施設を守っている仕事をし、その施設の外周を異常が無いか見回っています。
そんな時、その施設に悪さをしようとしている人物の一番初めの被害にあう可能性があるからです。
警備員として巡回し、いつもは何もない場所に段ボールが置いてあったり、物が入っている様な紙袋が落ちている状況に出くわしたら、まずは防災センターか相勤者へ報告しましょう。
それ後何もなかったとしても、それで良いのです。
何もなくて笑い話で済めばそれでよいではありませんか。
そんな事より、自分で勝手に判断して触ったり明けたりして、爆発でもしたら笑い話ではすみません。
明らかに不審物なのに警戒しなかったとあっては警備員失格です。
巡回時は常に何かあるかもしれないという気持ちで見回り、異常な状態に遭遇しても適切な判断と行動がとれるようにしましょう。