店内のベンチで寝る人を起こすかそっとしておくか

商業施設で勤務していた時に、店内巡回中にベンチで寝ているお客様を起こした事があります。これはクライアントから支持されている事で別に警備員が自発的にしていた事ではありません。しかし、毎回寝ているお父さんを起こすのは可哀想な気がしてなりませんでした。

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店内のベンチで座ろうか寝ようか自由

休日に家族で買い物にきて、せっかくの休みの日に運転手をさせられ、特に欲しいモノもないのに連れまわされ、歩き疲れたところで近くにあったベンチで一休み

暫く座っていると、眠気がやってきてウトウトしてしまう。

 

こんな光景はどこの地域のショッピングセンターでも見かける事でしょう。

せっかくの休みに買い物に付き合わされて、疲れてベンチで寝てしまう。

 

お店を利用する側としては、ベンチをどのように使おうが自由だと思うでしょう。

ベンチはお客様の為にあるもので、記憶している限りでは「ベンチで寝てはいけません」という案内は見た事がありません。

いや、もし身近なショッピングセンターでは禁止の表示があるよ、という所もあるかもしれません。

 

しかし、わざわざベンチに座るのに、寝ていけないのかどうかという表示を探す人もいないでしょう。

 

客がベンチをどう使おうが自由だ。

 

という認識で座り、そして寝てしまいます

そして巡回して来た警備員にやさしく起こされます。

ベンチでうたた寝をするのに座ったままで寝るのと、寝そべって寝る人がいます。

我々警備員は、そのどちらの格好で寝ていても起こします

 

起こされたお客様のほとんどは「すみません」と謝っていただけますが、何となく納得していない様な表情です。

特にベンチで座った状態で寝ている人は「座った状態でもダメなの」と聞いてくる方も見えました。

他人に対する迷惑行為の注意と体調不良の確認

ベンチは買い物に来たお客様が、一休みするためのものです。

ベンチで寝ていたお客様も、ある意味一休みでしょうが、寝ている状態ではベンチを長時間独占してしまいます。

座っていても長時間独占する方もいるかもしれませんが、だからと言って寝ている人をそのまま注意しない事になると、例えばホームレスも同じようにベンチで寝るようになってしまいます。

 

あの人は良いが、この人はダメ、という状態にしてしまうと問題が複雑になるので「ベンチでは寝てはだめ」となっています。

そして更にもう一つ問題があるのです。

 

「具合が悪くて寝ているかもしれない」

 

という事です。

ベンチで寝ている人は全員が疲れて寝ているのではなく、中には具合が悪くて横になっている人もいるかもしれません。

体調不良なのに、巡回している警備員が素通りして万が一、手遅れになるようなことがあっては大問題です

 

警備員は、ベンチで寝ている人に声を掛けるのはこの為でもある、と言っても過言ではありません。

本来座って使用するベンチで、寝てしまうほど体調が悪いという状態はある意味緊急事態です。

それを確認するためにも「大丈夫ですか」とまず初めに声を掛けるのです。

 

まあ、殆どの人が何事もなくただ疲れて寝てしまっている状態ですがね。

警備員が意地悪しているかの様に見える

警備員の仕事をしてきて、ベンチで寝ている多くの人を起こしてきました。

そのいずれも体調不良ではなく、ただ疲れて寝ているだけでしたので何事もなく良かったと思います。

 

しかし、その多くの人が声を掛けた時に「おいおい気持ちよく寝ているのに、起こすなよ」という様な表情でした。

こちらもただ疲れて寝ているだけなのだろうな、という結果を予想しつつ声を掛けているのですが、仕事なので仕方がありません。

 

きっと周りのお客様も、人が気持ちよく寝ている所を邪魔して、あの警備員さん意地が悪いな、なんて思われているのではと思う事があります。

お客様はなぜ寝ている人を起こしているのだろう、と思っているのではないでしょうか。

良くて、ベンチで寝たら他の人が座れないから起こしている、と思っているかもしれませんね。

まあ、それも起こす理由の一つなので間違ってはいませんが。

 

警備員がベンチで寝ている人を起こす、という行為は商業施設の現場を離れてからは一度も対応していません。

しかし、寝ている人を起こすというあまり日常でする事が無い事なので今でもよく覚えています。

そして、人が気持ちよく寝ているのを「申し訳ないという意識」を抱いて声をかけるので、出来れば余りやりたくはない対応ですね。

 

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