過去に商業施設内で警備員の制服を着た状態で、保安業務をした事があります。そもそも私服保安警備業務なのに警備の制服を着て歩いていたら、確かに万引きの抑止にはなるかもしれませんが、万引きや怪しい人の発見をする事は出来ません。そもそも制服なんて着ていたら、何かしようとしている相手は警戒してしまいますからね。
保安警備業務の必要性
商業施設やスーパーなどに私服を着た保安警備員がいる所があります。
これは施設によっていたりいなかったり、公表している所としていない所など様々だと思います。
以前勤務していた大型商業施設では、食品売り場を中心に自社の保安員がいました。
私服を着たベテランの女性が配置されていましたが、スーパーなどの食品売り場には必要なポストです。
店内にはお客様の他に、万引きをしようとしている人物や、不審者などお店に良い影響を与えない人も来店するのです。
そんな人物が「何か起こしてしまう前」に対応できるように保安員は配置されているのです。
以前、ベテランの保安員さんがお休みの時に、代わりに勤務に入った事がありました。
保安業務は基本的に施設警備員が店内巡回するのと余り変わりません。
しかし、施設警備員と大きく違うのは
「来店されているお客様、いわゆる人に対して集中的に注視している」
というところでした。
私服で巡回と制服で巡回の違い
施設警備委は建物を中心に管理していますが、保安警備業務は人が中心でした。
万引きをしている人がいないか、または館内に不審者がいないかなどといった怪しい行動をしている人物がいないか監視しています。
そんな業務をする時、こちらが目立つ格好をしていては、これから何か悪さをしようとしいる人物は警戒してしまいます。
いや、これはこれで良いのです。
相手に悪い事を踏みとどまらせる、という行動は犯罪を未然に防ぐ意味では効果抜群です。
しかし、目立つ服装で巡回していては。日常的に悪さをしているような人物を捕まえようとしている時、その瞬間だけ踏みとどまらせているだけで警備員が通り過ぎた後や警備員のいない別の日などに悪い事をするだけです。
その点、私服で見回りをしていれば、こういった常習の悪さをする人物を捕まえる事が可能になるのです。
スーパーや商業施設ではこういった悪さをする常習犯が横行しているので、監視をする側は私服という相手に気づかれないような恰好をしているのだと思います。
さて、そんな条件があるにもかかわらず、会社側はいつもの施設警備業務時に着ている制服で保安警備業務をさせているのです。
これでは、いつもの店内巡回と何ら変わりありません。
制服を着ている警備員の目の前で悪さをする常習犯はいるはずがありませんよね。
保安警備業務ではなく普通の巡回だった
店内の商品を盗もうとしている常習犯は、警備員や従業員など自分を見張っている者がいないと判断して悪さをしています。
そんな時に、食品売り場で制服を着た警備員がウロウロしていたら、警戒して何もせずに帰ってしまう事でしょう。
これでは本来の保安警備業務とはちょっと違います。
普通の施設警備員が店内巡回と称して歩いているのと同じです。
当時5時間くらいの保安警備業務だったと思いますが、その時間ひたすら食品売り場やその他特定の売り場を歩くだけの仕事でした。
巡回中、特に怪しい行動をしているような人物を見つける事も出来ず何事もなく終了しました。
そりゃそうですよね
「制服を着た警備員の目の前で悪さをしようなんて普通しませんよね」
巡回している最中、ずっとこの制服を着て保安業務をする疑問を感じながら歩いていました。
まあ、その間だけでも何事もなくてよかったのですが、出来れば私服を着て怪しい人物を見つける。
なんていう事案も経験してみたかったですね。
詳しい事は確認しなかったのでわかりませんが、もしかしたら私服保安警備業務は、資格が無いと出来ないのかもしれないので、当時は仕方なしに制服を着た警備員を巡回させていたのかもしれません。
あれ以上、保安警備業務の勤務に入らなかったので詳しい話を聞きそびれてしまいました。
施設警備員と私服保安警備業務員、勤務する場所は同じですが業務内容は似ている様で意外と違うものだという印象を受けました。
あれなら歳を取ってからでも資格を取って、やれそうな気がしました。