施設警備員が細密巡回中にトイレを見回る時、頭の片隅に今でいう都市伝説の登場人物の「トイレの花子さん」を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。先日、女子トイレを巡回した時に「トイレの花子さんが出た!」と思う様な出来事に遭遇しました。
細密巡回中は誰も居ない環境
細密巡回は基本誰も居ない施設内を見回るものです。
しかしこの現場では、残留者がいる場合が多く平日も週末時もあまり違いがありません。
そんな中で細密巡回をすると、残留者がいる状態なので火気点検や窓の施錠確認など警備員の巡回に施設の防犯の責任がかかっている・・という様な状況になりにくいのです。
なにせ見回った時はまだガスの元栓を使用していたり、窓を開けてお仕事をされている従業員の方が見えたりと、警備員が後始末できる状況に無いからです。
今回もそんな残留者がいる状態での建物内の巡回時に丁度、女子トイレの巡回に差し掛かった時でした。
トイレは人感センサーで照明が付くので、電気が付いていなければそこのトイレには誰も居ない、という事が分かります。
仮に照明が壊れていたとしても、真っ暗な中ではトイレの使用は困難ですからね。
巡回中にトイレで人と遭遇
そこのエリアの女子トイレに行った時、電気が付いておらず「誰も使用していない」という判断が照明で分かります。
普段なら照明が付いている女子トイレは、後回しにして使用後に見るようにしています。
しかし今回は消灯中であった為、誰も居ないという判断のもとそのまま入っていきました。
自分が入った事で照明が付きトイレの中が明るくなりました。
その時、いくつか並んでいる個室の内の一つが閉まっています・・。
「はっ、もしかして意識を失った人がいる?!」
と思い声を掛けました。
と、同時に
「考えたくはないけど、もしかして個室には誰もいない・・?」
という思いも・・。
警備員ならそのどちらも考えてしまう人は多いのではないでしょうか。
私はそっち系は余り信じていませんが、暗い建物を一人で巡回するというのは、その気が無くても想像してしまうモノです。
不安な気持ちのまま、待っていると女性の声で返事がありました。
こんな真っ暗な個室の中で、入っていたのかっ!と驚きました。
確かに、人感センサーは一定時間動きが無いと電気は消えてしまいます。
しかし個室の中であっても体を動かせばまた照明は付くのです。
にも拘わらずこの女性は、暗い中じっとし続けて使用していた様なのです。
声が返って来た時は、そっち系の意味でビックリしました。
真っ暗な部屋の状態の環境下で返事があったので「人ではない」と思い非常に驚きました。
後で分かったのですが、どうやらスマホを見ていたので個室内が暗くても気にならず、更に暗くなる仕様にも慣れていたのでそのままにしていた、という事であったようです。
人感センサーの特性を把握したうえでの状態でしたが、こちらとしては久しぶりに怖い思いをした出来事でした。
残留者ゼロの施設は特に注意
ここの現場は残留者がゼロになる事が余りありません。
なので、今回の様な状況はよくありそうなのですが滅多にありません。
普通は部屋が暗くなったら、センサーに反応するように体を動かすのですがね。
その女性は肝が据わっているな、と感じました。
残留者がいる状況の多い現場では笑い話で済むような事もありますが、これが残留者がゼロになるような商業施設や商業ビルなどでは話が違ってきます。
霊現象のような事は滅多に起きることは無いと思います。
少なくとも私は遭遇した事は一度もありません。
なので、万が一巡回時にトイレの個室が閉まっている様な現場に遭遇した時は、不審者が潜んでいる事も十分考えられます。
不用意に開けたり、声を掛けたりする前に必ず防災センターの相勤者へ連絡して、複数で問題にあたるようにしましょう。
何よりもやはり一番危険なのは人間です。