細密巡回をしていて、ある場所の扉がよく開いている部屋、もしくは外扉はありますか。何年も同じ現場で働いていると、巡回の度に扉が開いている扉を記憶するようになると思いますが、この慣れはある意味危険です。
巡回時に毎回開いている未施錠の扉
毎回夜に細密巡回をしていると、いつも同じ場所の扉が開いている事に気づく事があります。
何年も同じ現場で働いているとそういう「毎度同じ場所」という未施錠の扉がどこの現場でもある事でしょう。
ここの現場でも建物内のある部屋の扉が、細密巡回時に高確率で開いています。
建物内の事なので不審者が外から入れるようにはなっていませんが、報告時に何度言っても改善される事がありません。
建物内の扉の話なので、クライアント側もあまり深刻に考えていないのでしょう。
警備員内の話では「また開いていた・・」と合言葉になるほど当たり前の出来事になってしまっているのです。
また警備員側の話で言うと、巡回時に開いている事が当然になってしまっているので、開いていても気にしなくなっています。
開いていて当然・・これは警備員にとってある意味危険な状態でもあるのです。
毎回施錠する事しか意識しなくなる
巡回時に扉が開いている事が当然になると、ある意味危険です。
警備員は戸締りや不審者の侵入に気を付けながら細密巡回をしているのに、扉が開いている事が異常、と認識しなくなっているからです。
いつも扉が開いている部屋に来た時に
「どうせまた扉は開いているのだろうから」
と巡回キーを用意して、ただ扉を閉める動作をしようとしてしまいます。
本来ならば、扉が開いているのを見つけた時、もしかしたら侵入者が居るかもしれない・・という判断をしなければなりません。
しかし、毎回扉が開いている事を知っていると「いつもの事」と侵入者が居るかもしれない、という判断に結びつかないのです。
もしかしたら・・という危機感を鈍らせてしまうのは警備員にとって致命的な事です。
ある意味オオカミ少年状態のワナ
警備員の慣れた現場での業務は、クライアントにとってそれほど頼もしい事はありません。
委託者よりも建物内の事に詳しく、対応も的確にしてくれる・・
クライアントも安心して任せられる事でしょう。
しかし、警備員にとってあまりに慣れ過ぎた現場もある意味危険です。
毎回開いている扉に対して「いつもの事だから大丈夫」「ここは滅多に誰も来ないから、開いていてもOK」
警備員らしい観察や判断をせずに、いつもの事だから・・という何の根拠もない情報を信じて巡回してしまう・・。
そんな事を繰り返しているうちにいつの日か、その扉から侵入事案が発生しても巡回時に気がつかず翌朝になって大問題になってしまう事でしょう。
日ごろから、毎回未施錠の扉があるような場所でも「もしかして」という気持ちをもって巡回できるようにしたいですね。