草取りをしていた警備員の理由

施設警備の現場では、施設内に雑草の生えている所もあるでしょう。しかし多くの場合、専門の業者や清掃担当の業者が草取りをしていると思います。余程警備員に指示が出る事もないでしょう。なぜなら、警備員は業務をする中で「草取り」という時間が無く契約にも無いのが殆どだからです。

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草取りは契約には無い仕事だった

ここでも散々言っていますが、警備員は契約に無い業務をしてはいけません。

いくら良かれと思った事でも、けがをしたり設備を壊してしまった場合、責任はその個人になってしまうからです。

 

警備会社によっては、そのあたりの指導が徹底されていない所もあり、問題が発生してから「どうしよう」となるのです。

 

以前の現場でも当然、契約内に「草取り」はありませんでした。

警備員の業務も時間ごとでやるべき事が決められており、施設内の美化活動のような業務も何一つありません。

そこの現場では設備の事や清掃業務など、役割はハッキリと分かれていました。

 

そんな現場である警備員は、草取りをしていたのです。

他の警備員は誰一人やっていませんし、またクライアントから頼まれてもいません。

日によっては受付業務の合間に草取り

警備員の業務は警備に関する仕事があります。

しかも、複数人の警備員が毎日出勤しており、時間ごとでそれぞれの業務があるのです。

 

待機時間を除いて、とても他の作業をするような時間はありません。

仮に待機時間にやるにしても、クライアントから頼まれている作業でもなければ、待機時間をつぶしてまでやる理由もありません。

 

冒頭でもお話ししましたが、私の指導を受けている隊員さんは

 

「契約以外の事をすると後で問題になるばかりでなく、会社も助けてくれないから絶対にするな」

 

と毎回話しています。

そんな事を聞いても、事の重大さが理解できないある隊員が、事あるごとに草取りをしていました。

待機時間の合間にやるだけならまだしも、酷い時は出入管理の業務中に暇な時間帯を見つけては、警備室のすぐ外の草むしりをしていたのです。

 

「いやいや、業務を投げ出して契約外の事をするのは流石におかしいと思わないのかい」

 

と思いました。

契約にない作業を、契約にある作業を投げ出してやるのはどう考えても契約違反です。

これは仕事をさぼっていると言われても言い訳できません。

 

現場としては確かにヒマで、受付の場所を空けてもよその作業が出来てしまう程です。

素人的には出入管理で誰も来ない受付で、ボケーっとしている位なら何か役に立つ事を。

という気持ちは理解できます。

しかし、契約にある仕事がいくら暇でもそれを放置してよそ事をするのは契約的に見てNGです。

 

この隊員はなぜそうまでして草取りをしていたのでしょうか。

自発的に一人だけ草取りをする理由

契約外の草取りという作業を、本来の仕事をやらずにやってしまったのでしょうか。

 

・彼には契約外の仕事という概念が無い

これは警備員はクライアントから頼まれた仕事は何でもする、といういわば用務員のおじさんと勘違いしている事です。

これは多くの警備員さんやクライアントが間違った認識をしていますね。

警備会社側が隊員やクライアントに対して、しっかり説明する必要があります。

 

・クライアントが喜ぶ事を狙って作業している

別に頼まれた事ではないのだが、自発的にやる事でクライアントから自分の評価を上げたい。

とてもしたたかな行動です。

警備員として契約内の業務でこれをやる分には別に問題ありません。

しかし、自分だけ契約外の事をしてる時点で完全に自爆行為です。

 

もしかしたら自分だけ出なく、警備員全体の評価を狙っての事だとしても問題があった時に誰も庇いようがありません。

いくら草取りだから何も起きないかもしれないとしても、何が起こるか分からない分、どんな些細な事でも契約外の事はするべきではありません。

 

契約外の事をするな、と自分の警備隊の中でしっかり指導されているのなら、その警備隊や警備会社はちゃんとした会社だと思って大丈夫です。

 

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