施設警備員は巡回というものがあり、自分の勤務する現場の巡回ルートを覚える必要があります。しかし、現場によっては巡回ルートがとても複雑で1階だけで覚える事が困難な現場もあります。色々な施設の巡回ルートを見てきましたが、難しい現場と楽な現場は天と地ほど違うのです。
巡回規模は驚くほど様々
色々な施設の現場を経験してきて、それぞれの巡回を体験してきました。
建物の数だけ巡回ルートや時間が違う。
現場が変われば巡回のルートが変わるのは当然です。
建物の規模によって巡回ルートの長さが変わり、その長さは建物の規模に比例していると思います。
広い建物であれば巡回ルートは長くなり、小さな建物であれば30分もかからずに巡回は終わります。
そう、巡回ルートは長いと時間がかかるのです。
かつて経験してきた巡回ルートの違いは、3時間近くかかる現場から30分もかからない巡回ルートを経験しています。
もちろん、楽な巡回現場は1日でルートを覚える事が出来ますが、3時間かかる様な巡回ルートの現場は1回では覚えきれません。
頭がパンクするか体が音を上げる
巡回ルートを回り終えるのに3時間もあると、覚えるまでにまず苦労します。
これは研修期間が終わり、一人で行くまでは先輩警備員が付いてくれるので覚えるのに猶予がありますが、その前にある試練があります。
・巡回ルートが決められているので道順を覚える
・3時間という時間制限があるので回りきれる為の体力づくり
これは巡回路を覚えるという頭を使う事と、制限時間内に戻って来れる為の体力が必要になるのです。
警備員になって記憶力を試さる事になるとは思ってもいませんでした。
まあ、この考えは実際警備員になってむしろ頭も使うし体も使う、と全く逆だと気づかされましたが。
巡回路を覚えるのに記憶力が必要ですし、3時間歩き続ける為の体力も必要だと、このどちらかで挫折する人も多かったと思います。
これ、現場によっては定年退職したお年寄りでは務まりません。
歳をとってから脳に新しい事を記憶させる力と、数十年デスクワークだった運動不足の体、どちらも不利だからです。
新人の警備員さんの中で、この現場に来る年配の警備員さんは会社側が考慮していたのか非常に少なかったです。
きっと長続きしないから、という事で比較的若い警備員さんの配属が多かった気がします。
現場が違っても巡回内容はほとんど同じ
巡回ルートが大変な現場がありますが、大変でない現場の巡回ルートでもやる事は同じです。
施設警備員が細密巡回をする時、どんな現場であっても何を見るのか、何に注意するのかはどこでも同じなのです。
そう考えると楽な方の時間のかからない巡回の現場へ行きたいですよね。
少しでも楽な仕事がしたい、これは誰もが考える事で当然だと思います。
警備員という仕事が楽だと聞いてきたのにこんなにキツいなんて、と思う人にとっては小さい現場の方が良いと思います。
しかし、警備員の仕事を通して警備の資格が欲しい、または警備業界で成り上がってやるんだ、という意思を持った人にとっては楽な方は選択しない方が良いと思います。
どちらが良いとは言えませんが、楽な現場では警備員としての成長はありません。
楽な方の現場がダメと言っている訳ではありません。
その人がどんな思いで警備員の仕事をしているのか、という事でその人に見合った現場の話をしているのです。
どんなに小さな施設でも、大きな施設でも巡回でしている事は同じですが、それにプラスして発生する業務の積み重ねが、ゆくゆくの大きな違いになるのです。
実際今の小さな施設しか知らない警備員さんと、大きな施設の現場の経験のある隊員さんとでは、今は同じ現場で仕事をしていますが仕事に対する知識と対応に差があるのです。
小さな現場でも学べることはありますが、大きな現場の方がより経験できる出来事が多いのです。
環境の違った現場で仕事をしてきた警備員さんが、同じ職場で仕事をするとその違いが良く分かります。
これは本人たちがどれだ警備員の仕事にやる気があるかで考え方も変わってきますが、傍から見ていて明らかに警備員の質が違うのです。