警備員には資格というものがあります。これは国家資格であり一度取得すれば更新する事無く持ち続ける事が出来ます。そんな警備の資格ですが、施設警備員にとってはあまり意味の無いモノなのかもしれません。
施設の資格は多くの現場で必要ではない
警備員には1号から4号まで分類されており、そこから更に資格が割り当てられています。
私はその中でも、施設警備の資格を取得していますが、職場で必要があって取得した訳ではありません。
思うに、警備の数ある資格の中でも「施設警備の資格」については資格必須の現場がそれほど多くはありません。
交通誘導警備や雑踏警備など、資格保持者が配置されていないと仕事が出来ない、という現場は数多くありますが、施設警備に関しては発電所や空港など限られた現場でしか必要とされない場合が多いです。
商用ビルや病院や学校、または商業施設などは警備業法として「資格が必要である」とはなっていません。
施設警備の現場としては、こういった現場が空港などと比べると圧倒的に多いので、多くの施設警備の現場では資格は必要ない、と言っても過言ではないのです。
しかし、その施設が契約書内に「施設警備〇級以上必要」と記載されている場合は別です。
この様な施設の独断で、施設警備の資格保持者を必要としている場合が意外とあるので、資格が無いと現場に配属させてもらえません。
隊長になるには必要な資格なのか
現場によっては施設警備の資格が必要な所もあります。
そして中には、隊長ポストに就くには施設警備の資格が必要な所もあるのです。
私は商業施設で勤務していた頃、そこの隊長は施設の資格を持っていない人でした。
そこの警備隊は総勢30名は居るかという程の警備隊です。
そんな大人数の警備隊の隊長が施設の資格を持っていなかったのです。
それでもその隊長は、隊員全員をしっかり管理指導できるような人でした。
要するに現場を指揮するのに資格は別にあっても無くても関係ない、という事です。
私が経験してきた現場に、隊長になる人は資格が必要な現場がありました。
しかし、そこの現場は商業施設ほど忙しくもなければ知識もそれほど必要とはしないのに資格保持者が必要であったのです。
資格が必要でない施設に契約書に「資格者を置く事」なんて書いてある様な現場は「資格というブランド」が気になるだけなんだな、と思いました。
警備員は資格も必要ですが、いかに色々な経験をして、様々な事案に対応出来るかが重要であって資格はあまり意味を成しません。
資格は入社したての警備員でも取得できるので、資格が有るからと言ってその警備員が経験豊かで優秀な人材とは限らないのです。
座学で学んだ知識と、現場で経験した知識は違うのだと今の現場にいる警備員さん達を見てそう思いました。
資格が有ると良い事と悪い事
警備員の資格が有ると、知らない人から見ると「資格持っているスゲー」とみられるかもしれません。
後は、現任教育の時に基本にあたる研修が免除される点です。
当時は2級の資格を持っている時期が長ったので、現任研修の時は結構助かりました。
まあ、研修自体は退屈でしたがそれほど嫌いではなかったので、別に免除されなくてもされてもどちらでも良かったですが。
またこれは警備会社にもよります、が資格を持っている事で嫌だった事もあります。
ウチの会社は常駐警備以外にも、定期的に臨時警備が発生します。
別の現場で施設警備の勤務をするのですが、これが資格持ちの警備員しか仕事に入る事が出来ないので、私の様な資格を持っている人に仕事の話が来ます。
ウチの警備会社には資格を持っている人材は半数以下しかいないので、声がかかる確率も高いのです。
副収入になるのでそれほど悪い話ではないのですが、そう何度も臨時警備を受けても、唯一の明けの日がなくなってしまうので毎回入る訳にもいきません。
最後には臨時警備全部断るようになり、会社に対しても申し訳ない状態になってしまいました。
まさか資格を持っている事で、申し訳ない気持ちになるとは思ってもいませんでした。
それでも資格を取得すれば、資格手当も僅かですが入りますし、何より転職する際に大きな武器にもなります。
資格持ちの経験者と、資格なしの経験者では印象は全く違いますからね。
施設警備の多くの現場では必要の無さそうな資格ですが、取得すれば良い事も多いので、機会があれば挑戦する事をお勧めします。