施設警備員は館内の巡回をする時、巡回キーというものを身に付けて見回りに行きます。これは昼間や夜間の巡回、そのどちらでも巡回キーを持って行く現場が殆どだと思います。その巡回キーは業務で毎日使用し、しかも年単位で使用されるので鍵の溝がすり減ってしまい、時には施解錠でスムーズな使用が出来ないなんて事も。
巡回キーは毎日365日使用する
施設警備員は業務中に巡回キーというものを身に付けて館内を巡回しています。
これは多くの施設警備の現場で同じ様に巡回キーを身に付けていると思いますが、中には業務として巡回キーを必要としない業務の場合は、必要以上に巡回キーを身に付ける事はありません。
過去の現場でも、業務によっては巡回であっても鍵を使用をする事のない時もあり、そんな時は巡回だからと言っても巡回キーは身に付けさせませんでした。
それ以外の巡回では、キーケースに巡回キーを結着し巡回キーを身に付け、館内を巡回するのです。
施設警備員が館内を巡回するのは、365日毎日であり、鍵を使用する場面も何か所もあり、鍵の使用頻度はかなり多いのです。
警備員と一言で云っても、色々な人がおり中には鍵の扱いが乱暴な人もいます。
現任教育や現場で
「鍵の重要性」
を何度も指導されても、話を聞いていない、理解できていない警備員は一定数おり、クライアントから預かった大切なカギをいい加減に扱うのです。
過去には鍵穴に刺した鍵をそのまま無理に曲げて折ってしまった警備員もいました。
巡回キーを全員がそこまで乱暴に扱わなくても、毎日何度も使用していると自然に鍵の溝がすり減ってきてしまいます。
鍵の溝は「キーウェイ」とも呼ぶそうですが、ここでは「鍵の溝」と呼ばせていただきます。
その鍵の溝がすり減ってしまうと、業務に支障が出るのです。
溝がすり減ると施解錠に影響が出る
鍵の使用頻度が多くて、自然と鍵の溝がすり減って来ると、施解錠にも影響が出てしまうのです。
それは、鍵の溝の形が変わるという事は
「扉が開かない」
という現象が起きます。
時には鍵穴に刺した鍵が抜け難くなるという事もありますが、溝の形が変わってしまった事で、本来開くべき扉が開かなかったり、閉まるべき扉が閉まらない、なんて事の方が重大です。
当時は、大型商業施設で勤務していた当時、巡回キーは5束ありました。
5~6本近くの種類の違う束ねられた鍵が5束あるという事です。
これらの何本かが、鍵の溝がすり減り鍵としての機能を上手く果たせていなかったのです。
記憶の中では、エスカレーターの鍵が一番すり減っていたと思います。
鍵を作っている金属が柔らかかったのが原因か、もしくは毎日起動と停止をするという使用頻度が一番多かったのが原因か、詳しくは不明です。
しかし、鍵穴に刺して鍵を回してもうまく回らないので、他の警備員さんたちも苦労していました。
余りにも使用するにあたり困るので、隊長に相談して新しい鍵に変えてもらえないか相談しました。
マスターキーからコピーを作る
その結果、5束の全ての巡回キーに付けられていた、エスカレーターの鍵は新しいものに交換していただきました。
新品の鍵をエスカレーターの鍵穴に刺して使った時のあの感動は忘れられませんね。
何の引っ掛かりもなく、しっかりと起動と停止が出来る、というのは当たり前な事ですがうれしかったものです。
このエスカレーター用の新しい鍵もそうですが、巡回キーなどに使用している鍵というのは全てマスターキーからのコピーです。
樽俎も鍵というのはマスターキー、もしくはグランドマスターキーと呼ばれる鍵があり、その鍵から警備業者が業務で使用するいわゆる巡回キー用にコピーを作ります。
そう、世間一般で云う所の「合鍵」ですね。
この合い鍵を警備員は預かり、毎日業務に使用しているのです。
所が中には、このマスタキーという概念のないクライアントもあり、警備業者に鍵を管理させる時に、マスターキーを渡してしまい、そしてのその警備業者もコピーを作る事無くマスターキーを巡回キーとして毎日使用してしまう所もあるのです。
そもそもマスターキーというのは、その施設にある多くの扉を開ける為のオリジナルの鍵です。
そのどこも崩れていないオリジナルでもある鍵の溝が、万が一崩れでもしたら大変です。
替えが無いオリジナルの鍵の溝が崩れてしまわない様に、マスターキーは厳重に保管管理し、日常で使用する巡回キーなどはそのコピーを作成し、業務に使うのです。
毎日使用するので、先ほどお話した様に年を重ねるごとに鍵の溝は減ってしまいます。
いつか使用できなくなったその時に、マスターキーからコピーを作ればまた新しい鍵として使う事が出来るのです。
「コピーでいくつも作れるなら荒っぽく使用しても大丈夫」
なんていう愚かな考えをするのではなく、クライアントから預かった大切なカギ、という意識をもって巡回キーを使用して欲しいですね。