警備会社や施設警備の現場で全く違う扱い方をしているのが、巡回キーの管理です。通常巡回キーなどの鍵類は、キーボックスという鍵を収納するボックスに入れて必要な時に貸出し簿を介して使うのですが、現場によっては勤務中の警備員が24時間身に付けているとんでもない所もあるのです。
巡回キーは通常キーボックスへ入れる
商業施設の施設警備の勤務をしていた時は、巡回キーは普段キーボックスに入れられており、巡回時や鍵を使う必要のある時に貸出し簿に記載して持ち出していました。
もちろんこのやり方は、警備業務検定の試験にも出題される正しいやり方です。
鍵はクライアントから借りているものです。
警備会社が用意した鍵ならどんな扱い方をしても良いですが、お預かりしている場合は紛失などの事を考えるとやはりキーボックスへ入れておくのがベストでしょう。
警備員も鍵を使うのはある特定の場面だけであり、仕事中ずっと使うわけではありません。
下手に持ち出して紛失した場合、多額な賠償責任が発生する可能性もあるので、その事を考えると不用意に持ち出したままにするのはとても危険です。
ましてや警備員の中には、ポンコツ警備員もいるのでいつ鍵を無くしてしまうか不安で仕方ありません。
・キーボックスが無ければ用意する
・業務中は警備員に鍵を持たせたままにしない
これらの事が出来ていない警備会社も実際にあるのです。
鍵をずっと身に付けている現場はおかしい
ある現場では、警備員が巡回キーを1日中身に付けている現場がありました。
キーボックスが無く、巡回ーを保管する場所が無いので仕方なく勤務中の警備員が1日中身に付けていたのです。
勤務の交代時には、そのまま鍵も受け渡され引き続き鍵は警備員が持ったままなのです。
この仕組みを見た時、私は驚きました。
以前の現場では、こんな危険なカギの管理なんてさせていなかったので
「いくら身に付けているとはいえ、ボックスに鍵を入れずに管理するなんて」
と何とかならないか思案したものです。
しかし、そこの現場では警備員の誰一人何も言わずにこの仕組みに従っていました。
「警備会社がこの仕組みで決めているのだからこれで良い」
と従っているのです。
その現場のほとんどは資格を持っていない「警備のケの字」も知らない高齢警備員ばかりでした。
「警備員の鍵の管理はこう在るべき」
という形を知らないのです。
なので、警備会社が「こうだ」といわれれば皆「そうなのか」と思うしかなかったようです。
まあ、結果その後資格持ちの警備員が増えた事で何か変わるかもと期待はしましたが、巡回キーをキーボックスへ入れて管理するという形には最後までなりませんでしたがね。
もし巡回キーを紛失したらどうなるのか、という心配は無かったのかとても不思議です。
紛失したら解雇か多額な損害賠償
警備員の人なら誰も知っている事だと思いますが、クライアントからお預かりしている鍵を紛失すると大問題になります。
多くの施設で管理している鍵は、その鍵一本でいくつかの扉を開けられる仕組みになっているものがあります。
これをマスターキーと呼びますが、このマスターキーを紛失するという事は、多くの扉が何者かに開けられる危険があるという事です。
そうならない為に、その現場で鍵を紛失した場合、扉のノブを全部交換する必要が出てくるのです。
大きな施設になればなるほど交換するドアノブの数は増えるでしょう。
この時、紛失したのが警備員であった場合、クライアントから多額な賠償金額を請求されるかもしれません。
その請求は警備会社負担なのか、紛失した警備員個人なのかは分かりません。
しかし、とても大きな額なのは間違いないでしょう。
そして、そんな不祥事を起こした警備員は、間違いなく解雇か異動になる可能性が高いです。
クライアントからしたら、そんな警備員に自分の施設で働いて欲しくは無いでしょうからね。
これらの事から、警備員が巡回キーを1日中持っている事の危険性が分かると思います。
「気づいたら鍵が無くなっていました」
なんて言うとんでもない報告を受ける位なら、初めから警備員には鍵をずっと持たせるのではなく、キーボックスで管理して必要な時だけ貸しだす仕組みの方が余程安全です。
多くの現場では鍵の管理がずさんな所もあるでしょう。
しかし、自分を守る為にも鍵は常に持つのではなく、キーボックスへ入れて紛失などに気を遣える様にしたいものです。