警備会社は新人さんを現場に出す前に、新人研修なるものをします。これは会社責任で警備業法にも定められたものです。そしてこの新人研修が終わると、現場へ配属となります。この配属先で研修をするかしないかは警備会社によって違うのですが、うちの会社の現場研修ははっきり言って無責任すぎるのです。
現場研修に与えられた期間
新人の警備員さんは、会社で新任研修を決められた日数、警備員の事について学びます。
会社によって違いはありますが、3~5日くらい、座学で拘束されるのです。
これが面倒で脱落する人も大勢いる中、無事に研修を終えるといよいよ現場へ配属となるのです。
現場では先輩警備員が警備員として活躍している中、新人で配属した警備員は暫く先輩警備員と一緒に、そこの現場の警備員としての仕事を学ぶのです。
施設警備員と一言で言っても、現場によってやる内容が全く違い、同じ施設警備でも異動するとまた一から学びなおさなければならない程苦労する場合があります。
ここの現場でも、先日新人警備員さんが配属されてきましたが、うちの会社では研修が1~2日しかありません。
「新人警備員の研修が1日で、次の日から独り立ちです」
これは普通で考えると、とても無茶な研修です。
ちなみに以前いた商業施設の現場では研修期間は半月近くはありました。
現場の業務の忙しさにもよりますが、会社が「研修は1日のみ」と言えばそうするしかないのです。
現場の事を把握しているからそう言っているのだと思いますが、現場の人間からするとこれでは新人さんに相当なプレッシャーがかかるのを分かっているのでしょうか。
教育係は現場の人間に丸投げ
ここの警備会社に限った事ではないかもしれませんが、現場へ来た新人さんは完全に現場に丸投げです。
会社で行う新任研修を決められた日数消化して、いよいよ配属先の現場へ出勤するのですが、朝営業所の人が連れて来たのは良いのですが
「じゃあ、後はよろしく」
と言って営業所の人は早々に帰ってしまいます。
確かに現場の事は現場の人間の方が詳しいですが、仕事の流れを少しも見る事無く帰ってしまうのは無責任すぎるな・・といつも思います。
内勤の仕事が忙しい、現場の事に詳しくないから何も口を挟めない・・など色々あるでしょうが、少しは新人さんの仕事を見守って欲しいと思います。
そして、現場ではどの先輩警備員が担当になるかも分かりません。
教え方が下手な警備員もいますし、担当になった先輩警備員も自分の仕事のペースが完全に狂います。
この様に当日になってバタバタするのが嫌なので、私は毎回
・先輩警備員としての教育係(数名)
・簡単な新人用マニュアル
の準備をして新人さんが学びやすいように準備しています。
新人研修用のマニュアルはそうそうない
新人警備員さんは、しばらくの間メモ帳が離せません。
先輩警備員から教えられることを逐一メモに書き記して、待機時間などに穴が開くほど復習しています。
研修期間が短い・・というプレッシャーを初日に言い渡されているのでそりゃあ真剣です。
そんな苦労を少しでも和らげるようにと、現場独自でマニュアルを作りました。
隊員さんの協力のもと、少ない研修期間でも全体の流れが把握できるよう、また研修が終わってから教えて貰える人が近くに居なくても、マニュアルを見れば理解できるように・・と作りました。
今までの現場でマニュアルは見たことがありません。
大抵は先輩警備員が研修期間中にすべて教える・・と言うのが警備員の研修というものなのです。
現場に配属された新人さんは、当たり外れのある先輩警備員から業務を教わるので、外れの場合だと本来教えられるべきものが教えて貰えていなかったりする事があります。
マニュアルさえあれば、誰が見ても全て書いてあるので学びそこなう事がありません。
今回も現場に新しい警備員さんがやってきましたが、マニュアルがあるおかげで誰かが教えそこなっても補う事が出来ます。
一日でも早く現場の空気に慣れて、楽しく仕事が出来る様になって欲しいですね。