施設警備の現場では夜になると館内に機械警備のセットをして、侵入者が入ってきても分かる様に警戒セットをしている所も多いでしょう。商業施設の現場では恐らくほとんどの現場で閉店後は機械警備のセットをしていると思います。当時、閉店後に機械警備のセットをして仮眠に入り、いざ翌朝になり館内を巡回する際、機械警備の解除を忘れて出発し見事に発報させて先輩警備員から大目玉を食らった警備員が居ました。
夜間は機械警備が全館にセット
全ての施設警備の現場が同じとは限りませんが、商業施設などでは閉店後に機械警備のセットをして、人の侵入を防ぐ様にしています。
施設が大きくなればなるほど、お店には貴重な商品も置いてあるので警備員1人で広い館内を管理するのは不可能です。
その為、ローカルシステムを利用して機械による警戒をさせて、人間である警備員がたとえ一人でも広い館内を隅々まで管理出来る様にしているのです。
機械警備という設備で広い建物を管理しているのですが、これは扉から施設内の空間まで、何か異変があれば警備室にすぐに異常が生じたとして分かる様になっているのです。
商業施設であれば、閉店後のお客様や従業員など警備員以外誰も居なくなった状態で、機械警備をセットします。
一度機械警備をセットしてしまえば、次に解除するまでは建物内に侵入したり扉一枚でも開ければ、それが警備室内に「侵入者あり」と伝わり、さらにシステムによっては施設の外からも警備員が駆け付ける仕組みになっています。
翌朝巡回前に解除し忘れ
そんな機械警備も早朝になれば、警備員が館内を巡回する為に解除させます。
時間帯によってはテナントの従業員も出勤してくるので、遅くても後方出入り口を解放するまでには機械警備は解除される事でしょう。
当時の現場では、機械警備の解除はタイマーなどではなく、人間がパソコンに向かって一つ一つ解除していました。
巡回へ行く警備員が機械警備の解除をし、2重チェックとして相勤者が更に確認します。
ある日、早朝へ巡回へ行く後輩警備員が機械警備を解除せずに、巡回へ出発しそんな日に限って相勤者でもある先輩警備員の2重チェックが遅れてしまいました。
通常であれば、巡回の出発前に解除を確認してから出るのですが、その日は先輩警備員が寝坊したのか何か他の事に気を取られていたのかで、確認せずに巡回へ出したようです。
数分もしない内に防災センター内に発報音が鳴り、先輩警備員は慌ててパソコン画面を見ました。
そこには、まだ機械警備が解除されていない状態の画面に、発報した箇所が次々と赤く表示されていました。
機械警備を解除せずに人が歩けば、通路にパッシブセンサーが設置されているのですが、それが歩いていく先々で次々に赤く表示されていくのです。
すぐさま無線で後輩警備員を制止させ、先輩警備員はパソコン内の機械警備を解除していきました。
巡回から戻った後輩警備員が叱られたのは言うまでもありません。
早朝自分の仕事を忘れがち
後輩警備員に限らず、早朝での業務はまだ目が完全に覚めていない状態の人も多く、忘れ物をする警備員さんも珍しくはありません。
巡回なのに巡回キーを忘れたり、制帽を被らずに巡回へ出発したり。
救いなのは早朝での巡回なので、館内には警備員しかおらず周りに恥をさらす事はありません。
しかし今回の様な警戒解除による誤発報は記録に残ってしまうので、口頭ではありますが、警備員の失態としてクライアントには報告しています。
私も過去に、この早朝の館内の巡回時に懐中電灯などを忘れた記憶があります。
日中であれば余程忘れる事の無い様なミスでも、2~3時間程度しか仮眠していない状態からの覚醒後の巡回は誰でもやらかしてしまう可能性があるのです。
それを防ぐ為にも、機械警備の解除の2重チェックがあったのですが、今回はそれすらすり抜けてしまった失態でした。
今では、そこまで厳重な機械警備は無い現場で仕事をしていますが、それでも仮眠後の起き抜けでの仕事は気を抜くと忘れ物をしてしまうので注意が必要ですね。