警備会社によって違いがありますが、比較的大きな警備会社は各都道府県に営業所があったりします。小さな警備会社では本社のある都道府県内でしか展開していません。そんな各都道府県に営業所のある警備会社では、まれに人をよその営業所から編成する事もあるのです。
全国に営業所のある警備会社
私が経験してきた警備会社は、全国とまではいきませんが主要都市に営業所がありました。
今現在の警備会社も同様で、それなりの規模の警備会社は主要都市に営業所を構えています。
主要都市に営業があれば、その付近の地域まで業務展開が出来るようで、近隣の都道府県の物件をいくつか持っていました。
この様な展開をするとどうなるのかと言うと、都道府県をまたいでその営業所が人員を管理するという事です。
要するに
「不足した現場の人員を、隣の県で余った現場から呼び寄せる事が可能」
という事です。
ある物件の地域では求人を掛けても人が集まらないが、隣の県では求人を入れるとすぐに人が集まる。
この結果、いったん採用するだけ採用して人が増えた段階で、現場と営業所で協議の結果選ばれた人がその人の少ない地域の物件へ行く事になるのです。
優秀な人とそうでな人が遠方の勤務地へ行く
人の少ない地域の物件へ行く事に選ばれた人は、何もその求人で入った人とは限りません。
もともとその現場にいた隊員さんの場合も十分あり得るのです。
その遠方へ行く警備員さんが選ばれる基準もその時々で全く異なり、優秀な警備員さんが行く事もあれば、その現場でつま弾きにされている様なポンコツ警備員の可能性もあるのです。
これは警備会社の方針と、その時の物件の様子や元居る現場の人員状況にもよるでしょう。
私のいる警備会社も主要都市に営業所があり、先ほど述べたような遠方への異動もあります。
その時に誰が行くのかという選択も資格を持っている優秀な警備員さんから、どこの現場でも使えないポンコツ警備員など様々でした。
遠方へ行く先の物件が、どんなポジションの人が足りないのか、とにかく一人でも多く人が欲しいのか、など様々です。
しかも、この遠方へ行く警備員の多くは「独身者」が多いです。
それは当然ですよね。
遠方へ行くという事は間違いなくその地域で、アパートか寮に入る必要が出てきます。
妻帯者の場合、出稼ぎ状態になるのでそれを望まない警備員さんも多いのです。
もし、私も遠く離れた場所の物件へ行ってくれと言われたら恐らく断ります。
家族で一つの所に纏まって暮らしているから今の給料でやって行けているのに、世帯が二つになったら今の給料ではやって行けないでしょう。
しかもまだ子供も独り立ちしていませんしね。
そういう意味で、遠方へ行くために声がかかる警備員の多くは独り者が多いのです。
遠方へ行くという事は給料も高くなる
先ほど遠方へ異動する話の中で、給料の事に触れましたが、実は独り者の人にとってはむしろ給料が上がるといえるのです。
妻帯者で賃貸や一戸建などに住んでいる人の場合、よその地域に異動するとなると、アパートなどの賃貸料が発生します。
これは今まで払う必要の無かったものが発生するので余計な出費になります。
ならば会社の寮に入れば解決すると思うかもしれませんが、食費や光熱費などはどうしても必要です。
妻帯者は2世帯分払う形になるので、これだけで余計な出費になるのです。
しかし、一人暮らしをしている独身者の方は、持ち家でない限りアパートの賃貸料を払っています。
それは異動しても同じ事です。
しかも、会社の寮に入る事が出来れば、今までアパートの賃貸料を払っていた分がもしかしたらゼロ円になるかもしれません。
まあ、ゼロ円で無いにしてもだいぶ安く済むのではないでしょうか。
結果、今までよりも同じ給料だとしても経費が安く済むのです。
警備会社によっては、遠方へ異動するという事で給料を若干上げてくれるかもしれませんね。
しかし、そのような優遇される警備員さんは、資格を持っていたり過去の業務で会社から高く評価されている様な人に限ります。
何年間も警備員の仕事をしているのに、何の資格も持っていなかったり、またどこの現場へ行ってもトラブルを起こしている様なポンコツ警備員では給料が上がる事は無いと思います。
遠方の勤務で自宅から通える範囲であれば、こんな面倒な事は無いのですが、引っ越しを余儀なくされるほど遠方な勤務地の場合は、会社から移動の話を持ち掛けられる様な事があった時、よく考えて返事をしたいですね。