大きな施設の警備をしていると、避難路が沢山ある事に苦労します。以前、大型商業施設で勤務していた頃、避難誘導路がいくつもありどの通路がどこへ出るのかという事を覚えるのが大変だったのを思い出します。しかし毎回巡回時に探検気分で把握するのは楽しかったですね。
警備員が把握していなければいけない事
今の現場では、避難誘導路は数えるほどしかなく災害発生時にはスムーズに誘導できるな、と安心しています。
災害発生時には警備員が中で勤務している従業員や、お客様を素早く誘導する必要があります。
誘導路が多ければ多いほど、建物内にいる人を近くの避難路へ案内する必要があるので、警備員として正確に出口を覚えていなければなりません。
出口が2.3か所だけなら、警備員はその誘導路前の近くで声を掛けて誘導すればよいですが、それこそ大型商業施設になると軽く10か所以上は避難路があるので、警備員の人数も必要ですし、1秒でも早く外へ避難させるために近くの避難路を案内しなければなりません。
その時、警備員としては日ごろから避難路の場所や、どこを通れば建物のどこへ出るのか、という事を把握しておく必要があります。
火災などが発生すると、火元から遠い避難路を誘導する必要があり、その時に全体の避難路を把握していれば、直ぐにどこの避難路を案内すればよいか対応できるようになるのです。
施設警備員として勤務する時、避難誘導路を覚えるのは実際に自分の目で確認する必要があります。
日々時間に追われて業務をこなしている時に、避難誘導路を確認するための時間なんてありません。
出はどうやって避難誘導路を確認し覚えるのかというと
「店内巡回や、細密巡回時に覚える」
のです。
これらの巡回時は、1日の業務の中で一番避難誘導路の近くを通ります。
しかも、巡回中なので多少道をそれてもそれほど大きなロスにもなりません。
まあ、警備会社によっては巡回中に道をそれるのを禁止している所もあるかもしれませんので、一概に巡回中に確認しましょうとは言い切れません。
それぞれの現場での確認は必要です。
日々の巡回で学んでいく
施設警備員として店内巡回や細密巡回時に、少しだけ道をそれて避難誘導路の確認をすれば、効率よく避難路の場所や誘導のコツをつかむ事が出来ます。
私が商業施設で勤務していた時は、店内巡回時にたくさんある避難誘導路を少しづつ覚えました。
当時の現場は避難誘導路は東西南北の各方角に3つ以上、合計で10か所以上は軽くあったので、1度の巡回で覚えきるのは不可能です。
店内巡回は店内を見回るのが基本なので、その時間を全て避難誘導路を見る事に充ててしまっては、店内で何かあっても気づく事が出来ません。
その為、1回の巡回ごとに一つの誘導路、といった具合に少しづつ何日もかけて見て回りました。
そしてそれが全部済んだら、また日を置いて2回目、3回目と確認し頭に叩き込んだものです。
そうしてそこの建物の避難誘導路を把握し、災害時にもスムーズにお客様を誘導できるようになるのです。
しかし問題が一つ、避難誘導路は各テナントのお店の裏側にある場合が多く、ある厄介な事があるのです。
そして大抵の誘導につながる扉には機械警備が入っており勝手に通る事が出来ないのです。
いきなり通ってはいけない理由
避難誘導路がテナントの裏側にある事の問題は
「テナントの商品置き場と化す」
これに尽きます。
避難誘導路はいざという時の為の通路です。
災害は起こらない事が一番良いのですが、万が一発生した時にはたくさんの人が通る道になります。
しかし、普段は何も起こっておらず、誰も通る事が無いのでテナント側がストック商品の置き場所にしてしまうのです。
当時のクライアント側はこの問題に積極的に対応してくれていたので、警備員も巡回時にテナントが荷物置き場にしていないか誘導路も見回っていました。
それでも警備員も毎日避難誘導路を巡回していたわけではないので、ある日見回ってみると商品がどっさり、なんて場面に遭遇した事もあります。
そしてさらに避難誘導路は最終的に建物の外周へ出るわけですから、普段は厳重にカギがかけられています。
またカギだけでなく機械警備も入っているので、それを理解していない警備員が勝手に扉を開けると発報してしまいます。
これは現場にもよるので一概にすべての避難誘導路が同じようになっているとは限りませんが、外へつながる通路なので、万が一初めて避難路を巡回しようと思っている人は確認しておく事が必要ですね。
警備員の経験値を貯めようと息まいて、警戒の入っている扉を不用意に開けては、何の意味も無いですからね。