警備業界は高齢の警備員さんが多いです。その中でも各会社ごとで定年の制度があると思います。しかし現実はその定年を過ぎても採用し続けている警備会社が殆どなのではないでしょうか。別にその採用し続けられている警備員さんが悪いと言っているのではなく、制度を無視してまでも採用し続けなければならない理由とメリットが会社にはあるからです。
警備員にも定年というのはある
警備業界は高齢の警備員さんが多いです。年齢は人それぞれですが、会社を定年で退職した人が警備業界に参入してくるので、60歳を過ぎてからくる人がむしろ普通と云えます。
そして警備会社にも定年制度がある所も多く、一応65歳当たりで定年としている様ですが、実際は65歳を過ぎても現役で働いている警備員さんは少なくありません。
定年が65歳だとしても、会社が仕事を続けるのに支障がない、と判断すれば再雇用として雇い続けている、という訳です。
現代は高齢者の人口が世代間で一番多く、また最近の高齢者の方は元気なので、65歳を過ぎても警備業界でまだまだ働ける人も多いですね。
そういう意味では、定年制度が有っても引き続き警備員として働き続けるのには問題無いと思います。
人手不足が続く状況では、定年だからとまだ元気で働けるのに退職させてしまうにはもったいない、もしくはまた人を集めるのに苦労する位なら、引き続き雇い続けた方がラクという会社の思惑と、まだ働き続けたい高齢者の利害が一致ししているのだと思います。
しかし、会社側にとってはそれ以上に「おいしい」特典があるからなのではと思ってしまいます。
退職させないのは助成金の為か
政府は60歳以上の高齢者を雇用すると助成金を出す制度を施行しています。
これは警備業界にとっては非常に有効な手段で、定年で退職した高齢者をそのまま警備業界へ引き入れれば、助成金が貰えるという事です。
一応、64歳までとされている様ですが、たとえそれ以上の年齢に達したとしても、現場に配置させる人員を確保できる、という意味でも無駄にはなっていません。
若い警備員を採用するよりも、高齢者の方が都合が良い、という仕組みです。
いや、こんなことしてるから警備業界に若い人材が入って来ないのでは?
政府が高齢者に対して企業にこの様な政策をしているから、人手不足になるのでは?
と単純に思ってしまいました。
もしかしたら色々と複雑な事情があって、私の分かり得ない仕組みの上に成り立っているのかもしれないので、一概にこの制度がマズいわけではないのかもしれません。
しかし、高齢者を雇えば助成金が貰えるというのは、企業にとっては定年の年齢の引き上げや、高齢者という人材を確保したい企業にはおいしい話です。
これを若い世代を確保した方がもっと特がある様にすれば、警備業界ももっと若返ると思うのですがね。
会社以外では損する事も
しかし、助成金目当てに高齢者ばかり雇っていると、手痛いしっぺ返しを食らう事もあります。
現場で働いている警備員さんなら身近な事なので分かるかもしれませんが、これ医者の警備員さんの中には、加齢の為に業務に支障を生んでいる人も少なくありません。
全ての高齢の警備員さんがそうとは限りませんが、やはり人によっては同い年の高齢警備員さんでも、体や頭の機能に差が出たりと個人差があります。
AさんとBさんは同い年なのに、Aさんはモノを忘れっぽいだとか、よく業務の失敗をするだとか、仕事に支障がある人もいます。
会社としては同い年の高齢の警備員さんは大勢いるし、殆どの人は問題なく働けている、と見ているかもしれません。
しかし、現場側としてはリアルタイムでその高齢警備員さんの能力不足を見ているのです。
そしていつか、クライアントからクレームが入るなんて事も。
会社としては、助成金目当てに採用した高齢の警備員さんでウハウハかもしれませんが、現場で働く警備員としては、その警備員さんがいつまたやらかしてしまわないか心配な日々を送っているのです。
人間歳を取れば、体力や認知機能が低下し、若い人と同じ様な行動が取れなくなるのは仕方の無い事です。
しかし、それを企業の儲けの為に現場を犠牲にして採用し続け、仕事を続けるのが困難になっている事に目を瞑るのは、本人もそうですが現場で働く警備員さんやクライアントに迷惑を掛ける事になるのです。