施設警備員の仕事をしていると、設備に関した故障に遭遇する事があります。警備員は設備に関する対応をする事がありますが、設備の専門家ではありません。詳しくも無いのにいい加減な対応をすると大事故につながる可能性もあります。そうならない為にも多少の知識はあった方が自分の為にもなるのです。
警備員が呼ばれて対応する可能性大
施設警備の仕事していると、エスカレーターやエレベーターに関する故障に遭遇する事があります。
お客様が来店時に利用している時に、急に停止したりいたずらで止められてしまう事もあります。
そんな時、防災センター内から巡回中の警備員に無線が入り「現場確認に行け」と言われる事があります。
研修時に勤務先の設備に関する指導がなされ、ある程度の対応は身に着けているので、その範囲であれば何の知識も無い警備員でも対応出来るでしょう。
しかし、巡回中にお客様から声を掛けられてある設備の不調を教えていただいて現場へ行った時、自分で勝手に対応するのは危険です。
そんな時は必ず、防災センターへ報告して指示を仰ぐようにしましょう。
以前、防災センターからある場所のエレベーターが止まったという知らせを受けて現場へ急行しました。
エスカレーターの緊急停止は良くある事で、対応もほぼ毎日のようにしていました。
原因も大抵振動による緊急停止で、各所確認した後に起動するというそれほど難しい操作ではありません。
しかし、エレベーターになるとエスカレーターの様には行きません。
エレベーターは呼び出しボタンを誤って押してしまう問題は別にして、滅多に停止したりはしません。
まあ、現場や老朽化したエレベーターはまた違う問題がありそうですが、普通のエレベータでお客様を乗せた状態で緊急停止した時には、対応を誤ると大事故につながります。
知っておかないと大事故につながる
エレベータで悲惨な事故と云うと、よく聞く話に降りようとした時に急に動き出して籠とフロアに挟まれるという事故です。
この事故は私が知る限り日本でも数件あるか無いか、海外もネットで調べてもそれほど事例がありません。
ですが、絶対に遭遇したくない事故なのは間違いありませんよね。
それほど事例の無い事故ですが、降りようとした時に籠が突然動き出すという事はあり得る、と自覚しているかそうでないかで対応も変わるという事です。
もし自分が勤務する施設で、エレベーターが突然人を乗せたまま緊急停止したとします。
その時、なぜ停止したか全くわからずそれでも籠から近いフロアに留まっていたとします。
幸い扉も自力で開けられるし、隙間から人も出られそうです。
さて、警備員として現場に駆けつけてこの状況だった時、籠内の人を誘導して外へ出すよう行動しますか。
私だったら絶対にしません。
出ようとした時にもし急に籠が動き出してお客様が扉に挟まれてしまうかもしれませんよ。
原因が分からないのに、無理やりに籠から出ようとして何が起こるか予想が出来ますか。
まあ、映画だとこの状況は絶対に何か起こるシチュエーションです。
何が起こるか分からないのに、警備員の判断で大惨事になるかもしれない行動をとるのはナンセンスです。
基本的には、エレベーターが止まった時は安全の確認が取れるまで、むやみに出入りをしない事です。
これは設備の事に詳しくなくても出来る事ですよね。
これを知っているかどうかで、大事故になる事を防ぐ事が出来るのです。
時間はかかるかもしれませんが、エレベーターの専門業者が来るまで待つしかありません。
警備員がやるべき事
施設警備員がエレベーターの不具合に遭遇した時、勝手な判断で人を出入りさせてはいけません。
何が起こるか分からない状況で行動してしまうと、悲惨な事故に発展するかもしれないからです。
それが分かっている状況で、警備員としてやれる事は一つ
これ以上人を籠内に入れない事と、籠内に残された人を無理して出さない事です。
エレベーターの専門の人の指示のもと、籠内の人を誘導するのは問題ありませんが、指示も無いのに勝手な行動をするとマズいという事です。
余程大事故が発生する事は無いと思いますが、万が一の時の結果が余りにも重大過ぎます。
過去に一度だけ、商業施設の後方の荷物用エレベーターが、原因不明で止まった事がありました。
人を乗せてもOKなエレベーターで、ちょうど人が乗っている状態で止まってしまい、フロアの扉も開いていて出られる状態だったので、乗っていた従業員を警備員の誘導で出したそうです。
後でそれを聞いて、よくその状況で人を出したなと驚きました。
まあ状況を聞く限り、正しい場所より少しずれた状態で止まったようで、さっと降りてしまえば降りられる状態でもあったようなので降ろしたそうです。
ですが、万が一の事を考えると、もし私がその状況に遭遇したらどう対応したか分かりません。
その時は何事も無く全員無事に下りられたので良かったと思います。
警備員は状況によっては大きな判断を迫られる時があります。
しかし、その時に一人で判断するか上司に報告するか、専門業者に連絡するか、色々選択肢もあります。
大抵は一人で判断するな、というパターンが多いと思うので、何かあったら報告して指示を仰ぐようにしましょう。