夜間巡回はいくつになってもどんな場所でも、怖がりな人にとってはやりたくない業務だと思います。今まで夜間巡回で一度も霊現象の様なものに出くわした事のない私ですが、霊現象とは別に業務として見逃してはいけない場所があります。
トイレの各扉
トイレは夜間の巡回時にはあまり入りたくない巡回路ですね。
お化けを信じていない私でさえ、あの狭くて扉の奥が見えない空間を懐中電灯の明かり一つで見回るのは、毎回嫌な空気を感じました。
トイレの巡回は防災センター内で明かりをコントロールしているので、トイレの室内には明かりのスイッチはありません。
夜間巡回時にそれだけの理由で、明かりをつけて貰う訳にはいかないので、真っ暗な中を懐中電灯だけの明かりで扉を一つ一つ見て回るのです。
男児トイレで個室2部屋、女子トイレだと4~5部屋一つ一つ見て回るのは、お化けを信じていない私でも
「何か居るのでは?」
と思わせるほどゾワッとしたものです。
トイレはどこの施設の現場でもあるので、今でもトイレ巡回をする時は日によって緊張しますね。
扉が多いという事は、不審者が潜んでいる可能性も高くなるので、巡回時は襲われるかもしれない、という事も考えつつ見回る必要があります。
買い物専用カートロッカー
買い物専用カートロッカーというカートを荷物ごと預けておく大きなロッカーがあります。
これは主に商業施設で見かけるものです。
私もその現場以外では見かけていません。
しかし、この買い物専用カートロッカーというものは過去に閉店間際に不審者が身を隠していた場所でもあり、あれを見逃していたら盗難事案に発展していた可能性も考えられました。
そこの現場ではそれ以来、閉店時の残留者確認の時にしっかりと扉を開けて、隠れている者がいないか今まで以上に丁寧に確認するようになりました。
このカート専用ロッカーも、夜間巡回時にも確認していたのですが、扉の少し上部分がのぞく事が出来るように若干空いているのです。
この隙間が夜間巡回時には曲者で、中にカートが入っていると
「人が入っている様に見えるのです」
夜中に一人で見回っている時に、あの隙間から人がいるかのように見える恐怖は中々のものですよ。
結局、それはカートではあるのですが、それが間違いであると分かるまでのドキドキは今でも覚えているほどです。
避難通路や階段
建物にある避難通路や避難階段、日常的にも移動手段として使われている階段などとは違い、緊急時にしか利用されない、普段は扉の多くに隠されているかのような階段があります。
商業施設の現場の時にあった階段です。
普段は閉じられて扉の奥にあるのですが、緊急時に避難用階段として使われる階段があるのです。
普段は閉じられているので、夜間の巡回時には見逃しがちですが、こういった場所も不審者が身をひそめるには都合が良いようです。
夜間巡回時に扉を開錠して、奥の階段まで見に行くのですが「過去誰かが潜んでいた」とか「扉の鍵を壊されて侵入された形跡がある」と云った様な事は一度もありませんでした。
しかもこのエリアは避難階段のある場所になるので、照明が付きっぱなしなのです。
避難階段部分は、日中でも夜でもいつ災害が発生するか分からないので、照明が常時点灯状態になっているのです。
このエリアは明かりがついているので、夜間巡回時でもそれほど怖くはありません。
しかし、この階段付近は人が殆どいないんです。
人の気配が全くない場所で明かりだけがついている状態の空間は、それはそれで嫌な感じがします。
誰もいないので何も怖がる事は無いはずなのですが、あの独特な空間は最後までなれる事はありませんでした。
もし、あの場所を見回った時に人がいたら・・。
夜間巡回は火気点検など以外にも、不審者などがいないか見て回る使命も含まれています。
侵入者が潜んでいた場合は、もしかしたら取っ組み合いになるかもしれないとても危険な業務でもあるのです。
施設警備員は余程夜間巡回で事案に遭遇する事は少ないですが、万が一、という事も十分注意しながら見回る様にしましょう。