どこの施設警備の出入管理でもある様な事だと思いますが、来客者が受付簿に名前などを書く時、読めない字を書く人がいます。丁寧に書いているであろうが汚い人と、急いでいるのか書き殴った様な汚い字を書く人です。これらを分けて理解する必要があり、そんな時どのように対応すればよいのか考えてみます。
丁寧だが汚い字の人と走り書きで汚い字の人
受付で立哨していると、受付簿に名前を書いていく方の観察ができます。
受付簿を見ると、自分の名前を書いているのでしょうが、ほかの人や警備員の我々から見て読めない人がいます。
要するに字が汚くて読めないのです。
私はそれほど字は上手くない方なので、人の事をあまり批判は出来ませんが、その汚い字というのも実はそれぞれ違いがあります。
一言で汚い字、と言っても
・丁寧に書いているが上手くない字
・急いで書いたのか上手くない字
この両者は全く違います。
丁寧だが上手くない字、というのは汚く読めないにしても、本人は一生懸命丁寧に書こうと努力しているのです。
急いで書いているのでもなく、ゆっくりと書いているのですが、丁寧に書こうとするその姿勢は認めるべきものがあります。
一方、急いで書いて上手くない字、というのは本来ならきれいに読める字が書けるような人かもしれないが、人が読める様に、という意識が無くただ紙に書き殴っているだけなのです。
これは相手が読めようが読めまいが関係なく、「書いたからいいだろ」という印象しか受けません。
もちろん、筆跡を見ても読む事は出来ず、何とか読もうにも想像もつかないような人もいました。
この様に「汚い字」と一言で言っても相手の事を思っているかいないかという大きな違いがあるのです。
丁寧に書こうとしている人を、間違っても注意する事の無いようにするのはもちろんですが、急いで書き殴った人に対して、正面から注意しても大抵トラブルに発展します。
どちらも正面切って指摘できない
丁寧に書いている人に対して
「もう少し読めるように書けませんか」
なんて、私はとても言えません。
本人は精一杯、丁寧に書いているのに「もっときれいに書け」という様な言葉は普通はかけられませんよね。
そういう時は、後で「これなんて読むのかな」と必死になって読むのです。
もしくは、記入している最中に「あ、これは読めない」と察したらその場で
「あの、恐れ入りますが、この字は何とお読みしますか」
と聞いてしまいます。
これはどうしても読めないと判断した時、最終手段として聞く事にしています。
出来れば本人に聞くのは避けたいのです。
そしてもう一方の、走り書きをした人は相手の事を考えていない時点で、本人に字が読めないことを指摘すると高確率でトラブルに発展します。
急いでいるであろうのはもちろん、警備員が受付している書面なんぞに丁寧に書く必要があるのか、という考えを持っている印象が態度から伺えます。
そんな人に「きれいに書いてください」と伝えたら「お前にはこれが読めないのか」などと訳の分からないことを言い出しケンカになってしまうかもしれません。
過去にもある隊員さんと、字の汚い人との間で言い合いになったのを見た事があります。
こういった人たちに、どのようにしたら読めるような書き方をしてくれるのでしょうか。
読める字を書いて貰う様上手くお願いする
出入管理で記帳していただいているモノはすべてクライアント側が用意したものです。
台帳を警備員が自発的に用意しているわけではありません。
きれいな字を書かない人は、もしかしたらこの台帳を警備員が勝手に書かせているモノだと思っているのかもしれません。
もしそうならば、きれいに書いて貰う最適な言葉があります。
「この台帳はクライアントに提出したあと、事務員の方がパソコンに打ち込んでいるそうです。もし読めない場合は、御社に連絡してお名前を確認するかもしれませんよ」
大抵の来客は、クライアントから仕事を貰って、挨拶の為に来店している場合が多いです。
しかも、汚い字を書く人の多くがこの営業で見えた方が多いのです。
そんな人が、受付で読めない様な汚い字を書き、クライアントから自分の会社へ、字が読めないからという理由で連絡が来るほど恥ずかしい事はありません。
その時はこちらも、お急ぎでしょうが丁寧に書かせてすみません、という態度で話すと意外と素直に言う事を聞いてくれる場合があります。
そりゃ、自分の会社の上司から字が汚いというクレームを受けたぞ、と叱られたくはないでしょうからね。
過去の現場ではこのような対応をした事もありました。
まあ、実際クライアント側で台帳をパソコンに打ち直していて
「この人の字が読めない」
というお叱りを警備室に頂いた事もあります。
警備員が出入管理で記帳してただく際に、誰なのかも判別できない様な書き方をした人がいてスルーするのもおかしな話ですからね。
基本は誰が入館したかわかる様な、読めるような字で書くのが当たり前です。
気を付けないといけないのは、字が余り上手くない人の中に、一生懸命丁寧に書いても読みにくい人と、初めから丁寧に書こうという意識の無い人、という対象的な人がいるという事を知っておく必要があるという事です。
その時に、警備員がどのような対応をするかによってスムーズに終わるか、トラブルに発展するか変わってくるのを心得ておきましょう。