警備員の仕事は生産も無く、仕事に対する実績が分かり難い業務ばかりです。ただ歩いているだけ、ただ立っているだけなど、仕事が単純で利益を生んでいるわけではありません。その為、賃金も安くなりがちなだけでなく、利益が出ない為に昇給も上がりにくく、仕事として人気が無いのも仕方ありません。
警備員はただ立っているだけ
施設警備員に限らず、警備員の仕事は単純な業務が殆どです。
外での業務の場合、車両や歩行者に気を使っていますが、基本はその場で立哨している状態です。
警備員の事をよく知らない人から見ると「ただ立っているだけ」と見える事でしょう。
車両を交互に事故を起こさない様に誘導したり、歩行者の安全の為に気を配ったりとやる事は沢山ありますが、詳しくない人から見ると所詮そんなものです。
施設警備員にしても、館内をただぶらぶらとヒマそうに歩いている様に見えている人いるでしょうが、彼らは防災設備の確認や館内に不審者がいないか目を光らせながら歩いていたりするのです。
しかし、これらの業務は全て単純な作業であり、また警備員の仕事としては何の生産性もありません。
警備員が立哨していて利益が出るわけでも無く、クライアントからすると「安全を買っている」という事なのです。
日本は世界から見るとまだ安全な国な方でもあり、その為に警備会社の「安全を商売とした商品」に対しての契約金もそれほど高くはありません。
なので、現場で働く警備員の給料や昇給などは決して高くはないのです。
単純な仕事の為に昇給も無い
仕事をして利益が出るのであれば、業績が良ければ昇給もあるでしょう。
しかし、警備員という仕事は立っていたり、歩き回ったりする事で特に利益が出るわけではありません。
しかも単純な仕事が多い為に、その対価としての給料も高くないのです。
働く側としては、単純な作業なので誰でもその仕事に就く事が出来ます。
高齢者の警備員さんが多いのも、その作業の単純さから来ているといえますね。
しかし、作業が単純であるために給料が低いので、年金を貰ってその補助としての給料という稼ぎ方が成り立つとも言えるので、年金をまだ貰えない若い世代の警備員さんにとっては、その金額では圧倒的に足りません。
警備員に、若い世代の人が少ないのは警備業が薄給である事が原因の一つなのかもしれませんね。
そして警備員の仕事は、生産性が無いので、業績がアップしたから昇給、または勤続年数に応じて昇給、なんて事もありません。
中には昇給のある警備会社もあるでしょうが、少なくとも私が経験した警備会社では昇給はありませんでした。
当然、昇給も無く賃金も低い警備員の仕事に人委が殺到する筈も無く、人気の無い仕事、もしくは人生の最後に行きつく仕事、などと言われたりもするのです。
それでも防犯には一役買っている
しかし、いくら安全な日本とは言え、低い給料とは言え、現代の社会においては無くてはならない仕事になっています。
警備員がいなければ、そのクライアントは社内の従業員に施設に泊まり込みで夜間の仕事をさせなければなりませんし、工事業者は工事作業をする人間をもう一人雇い、交通誘導の業務を学ばさせて交代で車両や歩行者の誘導作業をしなければなりません。
自分の会社の人間を雇うよりも、はるかに安い金額で教育をさせる事も無く別の会社へ委託できるのが「警備業」です。
夜中に誰も居ない様な施設にしてしまっては、不審者に侵入されて貴重な商品を盗難される恐れもあります。
その様な仕事を警備員が請け負っているのですから、警備員が代わりに毎日働いてくれている、とクライアントの偉い人はそれが良く分かっているハズです。
世間からはあまり良い印象を持たれていなかったとしても、誰かが期待をしてまた感謝している、という事を忘れない様にして欲しいですね。