施設警備員として夜間巡回をする時、現場によっては大変な思いをする事があります。その中でも商業施設勤務の時の夜間巡回は間違いなく大変な部類に入ると思います。商業施設では飲食店が何店もある様な現場の場合、多くのテナントの厨房に入ります。その厨房もお店によっては、とてもきれいに清掃されているかと思えば、油でギトギトな厨房もあり巡回する時も苦労したものです。
夜間巡回での飲食店の厨房内
商業施設勤務の当時、夜間巡回では飲食店の中も見回りまっていました。
飲食店は厨房内に火気を使用する為のガスの元栓などがある為に、夜間に警備員が巡回する時、そのガスの元栓が閉まっているか、という確認の為に全ての飲食店は見回るのです。
飲食店以外のテナントに限っては、基本見回る事になっていたのですが、テナント側が「必要ない」というところもあり、そのテナントは警備員が夜間の巡回でも入る事は無いのです。
しかし、電気ポットや火を扱うものがあれば、夜間に警備員が入って確認する、という規則になっていました。
そんな飲食店ですが、当時の商業施設では数十店舗は飲食店があったので、夜間に警備員が見回る火気点検だけでも相当な時間が掛かります。
飲食店1店舗当たり、ガスの元栓がいくつもあるお店も結構あるので、1店舗見るだけでもそれなりに時間を必要とするのです。
新人警備員の頃はこのガスの元栓を覚えるのが大変で、〇〇店は元栓が〇個ある。という覚え方をしたものです。
そんな飲食店ですが、各テナントの厨房に入る時、それは綺麗な厨房と入るのを躊躇する様な厨房があるのです。
飲食店によって厨房の清掃に差がある
お店が違えばガスの元栓の数も違い、また厨房内の清掃も大きく異なります。
元々油の使用の少ない飲食店などでは、日ごろから厨房内もきれいに保たれています。
しかし、中華系などのお店では提供する食事も油を使ったものが多いので、どうしても厨房内は油まみれになっている事が多いです。
それでも油をよく使用するお店でも、夜間に警備員が巡回で入っても、頑張って清掃したと思われるような状態になっています。
この頑張って清掃した形跡の無いお店の厨房内は、それは大変です。
夜間に警備員が巡回で入った途端、厨房に入る前の店内から床が若干油でつるつるしています。
これ営業中はどうなっているのだろうか、と一度思った事がありますがこのテナントは食事で利用した事が無いので、営業時間中に床面がつるつるしているのか、それとも従業員が閉店後に厨房内から店内を行き来するうちにそうなったのか分かりません。
そんなテナントの厨房内はどうかというと、殆ど油まみれな状態です。
床も当然つるつるですが、厨房機器も明らかに清掃していないままです。
油まみれは当然の事、厨房機器に付いた食材や小麦などの粉が油と混ざり、そこら中にこびりついていたりと、清掃せずに帰ったのであろうと一目でわかります。
これが毎回夜間巡回で入る度にその光景が目に入るので、恐らくずっとこの厨房で食事を提供しているのだと思います。
そこで働いているアルバイトやパートの人も絶対に気付いていると思います。
こんな状態のお店で提供される食事はいやだな、と。
一応警備員として夜間巡回時に見回ったときは、ガスの元栓は毎回締められているので、火の管理に関してはちゃんとしている様です。
しかし、厨房全体の管理だけ見ると、とても褒められたものでは無いですよね。
警備員だからこそ気付ける違い
警備員は、その施設の全ての飲食店に夜間巡回業務として出入りしています。
そう、その商業施設でどの飲食店の厨房がきれいで、どの飲食店の厨房が汚いかという事を。
私も当時の商業施設で勤務して、どの飲食店がきれいでどの飲食店が汚いかという事を把握していました。
これは私だけでなく他の夜間巡回をした警備員さんも同様です。
お客様を迎え入れる店内がどれだけ小奇麗にしていても、食品を提供する裏側が汚いかという事まではお客様からは見えません。
そしてその営業中は、厨房も使用しているので汚いかもしれないが、閉店後はちゃんと綺麗にしているテナントはどこで、営業中も閉店後もずっと清掃しないテナントはどこか、という事を警備員は知っています。
施設警備員は飲食店などに火気点検の為に厨房へ入りますが、火気点検以外でも色々と気づく事の多い仕事でもあるのです。