自分の勤務ししている施設内で落とし物を渡された時、その落とし物に本人らしき連絡先が載っていた時、警備員としてその人へ連絡してあげる事は良い事だと思いますか。これは警備会社や施設によって回答が違うと思いますが、私個人としては連絡はしては絶対にダメだと思っています。この状況は一般の人の意見だと連絡した方が良い、と思いがちですが警備員としては責任の事を考えると怖く連絡できません。
落とし物が警備員へ届く
先日、ある隊員さんが「落とし物が届いたのですが、そこに連絡先が載っていますが連絡しますか」と聞かれた事がありました。
この隊員さんはまだ入社して1年未満の新人です。
まだ警備の業務全般を覚えきれておらず、この様な時に確認として聞いてくれるのです。
新人の警備員で理解したつもりで勝手な行動をする事を考えると、わざわざ聞いてくれるのは大事にならないので良い事だと思います。
今回の落とし物も本人がまだどう対処したらよいのか分からないので、聞いてきたのですがここの現場では、施設内で習得されて遺失物はまず警備員の所へ届くようになっています。
施設内の拾得物の管理は警備側でなく、クライアント側が管理しているのです。
このクライアントが拾得物の管理をしてくれるというのは、警備員側からすると非常にありがたい事ですね。
どれだけ警備員に落とし物が届けられても、クライアントへ挙げてしまえばそれで終了です。
警備員が書類で管理する事も無ければ警察へ届ける業務もありません。
この業務が無い現場というだけで「当たり現場」と思ってしまう程です。
そんな拾得物が上がった時に、落し物に連絡先らしきものが書かれていたら警備員としてどうしますか。
落とし物に連絡先がある場合
届けられた落とし物に連絡先らしきものが書かれていた場合、警備員としてはどの様に対応するのが正解なのでしょうか。
これは警備会社によっても回答が変わるかもしれないので、何が正解とは言い難いのですが私の現場では基本的に
「絶対に連絡するな」
と伝えています。
それでも落とし物の内容や、明らかに身内が落としたと分かる場合など状況によって返答が変わるかもしれませんが、基本的には警備員がわざわざ連絡する必要はありません。
一般の人が拾って善意でその場で連絡する場合はあるかもしれませんが、警備員が業務中に自分の敷地内で習得した場合や届けられた場合は「連絡するな」と間違いなく言います。
財布や携帯など貴重品でもある場合は、すぐにクライアントへ届けるので連絡するかどうか考える間もなくあげてしまえば良いですが、一旦警備室で預かって翌日クライアントへ届ける様な時、警備員さんによっては
「本人に連絡した方が助かるだろうな」
と思う事があるようです。
しかし「落とした人は助かるだろうな」と思っているのはその警備員だけであっていくら連絡先が載っているから連絡したとしても相手は有り難く思わない場合もあるのです。
安易な連絡はトラブルの元
遺失物の内容にもよりますが、そこに連絡先が書いてあるからと連絡しても、トラブルになる可能性があります。
連絡先が落とした本人とは限らず、また連絡先が自宅などの場合落としたものを家族に知られたくない物の可能性も十分あります。
ましてや落とした場所を聞かれたくないかもしれない、という様々な理由を拾得した警備員が分かるはずもありませんよね。
そこへ良かれと思って小さな善意で行動した行為が、トラブルになる事も十分あるのです。
警備員が拾得物を管理するのは、あくまで自分の勤務する施設内で預かりクライアントへ届ける事が仕事です。
決して
本人に連絡して引き取りに来てもらう事ではありません。
連絡するかどうかを判断するのはクライアントであり、またその先で警察へ届けた先の警察官です。
まあ、警察官ですら余程の物品でもない限り連絡先が記載されていても、その記載されている連絡先へは電話しないのではないでしょうか。
この辺りは私の勝手な想像なので、警察がどの様な対応をしているのか分かりませんがね。
少なくとも警備員は、むやみに落とし物に記載されている連絡先へ電話をしない方が無難です。
仮に連絡した事でトラブルに巻き込まれても、恐らくクライアントが助けてくれる事は無いでしょうし、警備会社側も「なぜ電話した?!」叱られるかもしれません。
このルールは警備会社から新任や現任教育などで指導を受けた記憶がないので、暗黙のルールになっているか、モノや状況による可能性が大きいのではないでしょうか。
いずれにせよ、落とし物を預かった時いくら連絡先が掲載されていてもその場で電話するのではなく、一旦責任のある人へ確認をした方が良いと思います。