私は交通誘導警備の経験がありません。自分では到底できないであろう、公道で車両を片側通行の誘導をしている警備員さんを見ると尊敬さえします。そんな交通誘導警備ですが、それでも施設警備業務の方が良いと信じています。個人の性格や適正もあるので本当はどっちなんて事は無いと思いますが、施設警備業務の方が良いという点を挙げていきましょう。
施設警備は1号で交通誘導警備は2号
警備業務というのは色々ありますが、それらは分類という4つの項目に分けられています。
その中でも、一番有名なこの2つ
・施設警備業務 (1号警備)
・交通誘導警備業務 (2号警備)
国内にいる警備員のほとんどの方が、この2つのどちらかの業務に携わっています。
求人を見てもこの両者は圧倒的な件数で募集しており、人手不足と言われる警備員というのは、これらの人が年中足りていないのです。
聞いたところによると交通誘導の世界では、工事業者の人数はそろっており、工事をするのに準備万端でも、その現場で車両を誘導する警備員さんが集まらなくて
「工事が始められない」
なんて話も聞いた事があります。
それだけ警備員はなり手がおらず、万年人手不足なのです。
施設警備業務の方が良い理由
人手不足なのは施設警備業務も同じですが、どちらも同じくらい警備員さんが足りず、現場で働く警備員さんがその尻拭いをさせれているのです。
そんな施設警備業務ですが、私は個人的には絶対に交通誘導警備業務よりも施設警備業務の方が良いと思っています。
まず一つは、勤務現場が直接外気に晒される外での勤務ではないという点です。
いつもここでお話しますが正直なところ、施設警備の現場もいくら室内とはいえ快適とは言えません。
お客様を迎える空間を表とすれば、それを支える従業員専用の空間は裏となります。
お客様が利用するいわゆる表側は、快適に過ごしていただく為に空調をしっかり効かせています。
しかし、従業員のみが使用する専用エリアいわゆる裏側は、経費をガンガンにかけて快適な空間にする必要もなく、勤務地が室内とはいえ環境はお世辞にも良いとは言えません。
まあ、現場によってはその裏側のエリアでも空調を聞かせた快適な職場はどこかにはあるのかもしれません。
あと、室内での勤務という事は天候にも左右されません。
交通誘導警備業務の場合だと、雨が降ると工事は休みになりそこで勤務する予定だった警備員の仕事も同じ様にお休みになってしまいます。
また、交通誘導警備業務は工事期間が終われば、次の日から違う現場へ行かなければなりませんが、その行く先が無いとそれまでは仕事もない、なんて事になるのではないでしょうか。
その点、施設警備業務は常駐型の場合が多いので、毎日同じ職場という見た目の環境は変わりませんが、明日仕事が無くなるような事はありません。
お金の面や日々職場が変わるというのが苦手な人は、施設警備業務の方が良いのかも知れませんね。
結局は実際に働いてみて選ぶのが良い
施設警備業務は交通誘導警備業務よりも、お客様と接する機会が多いです。
交通誘導警備業務の多くが車両に対して接するのに対して、施設警備業務は人対人です。
比較的近い距離で人の目を見て対応するので、人とコミュニケーションを取るのが苦手な人は施設警備業務は向いていないかもしれません。
この様に、同じ警備員でも個人個人が苦手とする仕事をする必要はなく、自分に合った業務を選ぶ事が可能です。
それでも中には、明らかに選んだ側の業務に向いていない人がまれに配属されてきますが、そういう人は見ていてすぐにわかるものです。
施設警備業務でいえば、業務中にすぐトラブルを起こしたり、人から聞いた内容を次の人に上手く伝えられないなど
「あの人、どちらかというと交通誘導警備業務向きだよね」
と思われる人もいます。
ここで注意しておきたいのは、別にどちらの業務の方が優れているという事ではありません。
人には適正というものがあり、野菜が嫌いなのに八百屋さんになったり、人と話すのが苦手なのに営業の仕事を選んだり、などと向き不向きがあるのに、それを考えずに仕事を選んではいけないという事です。
警備員の仕事も同様に向き不向きがあるのに、それを考えずに入社してくる人が多いようにも見受けられるという事です。
悪いのは、いくら人手不足だからと応募者の適性も考慮せずに「来るもの拒まず」といった精神で採用する警備会社もいけません。
ちなみに施設警備業務は人対人で接する機会が多く、メインの仕事は建物の管理です。
不審物が無いか巡回し、戸締りや火気点検が主な仕事です。
ただ「ラクそうな仕事」と言われても、まずはある程度のコミュニケーション能力も必要な仕事です。
そのあたりを考えて施設警備業務を選択しないと、人と接するのが苦手な人は職場で孤立してしまう事もあるので注意が必要です。