今はもう現任研修に出る事はないので、今どの様な講習をしているのか分かりませんが、当時拾得物の話をする時に講師の人が毎回、落し物の敷地内の話について話していたのを覚えています。この話が余りにも指導内容にしては「ええ?」となる様なお話だったので、現場でも新人警備員さんに同じ様に説明しています。
拾得物の受け取りは敷地内のみ
拾得物というのは、誰かが落としたり置き忘れていったものを指しています。
その中でも、何が拾得物に該当して何が該当しないという細かに分けられており、警備員がすべて把握するのは大変です。
警備員になった時に新任研修や現任研修で講師の方から指導していただくと思いますが、あの時間だけでは教えきるのは難しいでしょうし、また受講する側も覚えきるのも大変な事だと思います。
そんな拾得物の対応ですが、初歩的な事を覚えるのであれば
「落し物の受け取りは、自分の勤務している施設の敷地内のみ」
と指導を受けたと思います。
実はこれ意外と知らない警備員さんもいる様で、現任研修時に初めて知ったという人もいると講師の方から聞きました。
施設警備員の方なら、何となく理解できると思いますが交通誘導警備員さんの場合は「敷地内」という範囲をどのようにして区切っているのか疑問に思いました。
1歩でも敷地から出たら受け取らない
そんな敷地内の受け取り、という指導の流れで講師の方は、敷地内の拾得物は警備員として対応する義務があるが、いざ敷地から一歩でも外にあるものに関しては、受け取ってはいけないと話していました。
そう、敷地の外にある落し物はすべて最寄りの警察署か交番へ届けるのが正しい対応なのです。
敷地内での拾得物は施設を管理している者が責任を持って対応する事になっていますが、施設の外いわゆる敷地外の物は、その施設とは何ら関係のない物になるのです。
明らかにその施設のテナントで販売していた商品であったとしても、敷地外であれば受け取ってはいけないのです。
当時は「確かに」と納得しながらも聞いていましたが、その時
「という事は、敷地内ギリギリに落ちている商品をちょっと蹴って外に出せば無関係になる」
という恐らく経験談ではなく冗談を言ってその場の笑いを取っていました。
拾得物でも貴重品や財布などは、扱いが大変です。
しかも、商業施設などでは拾得物の管理を警備会社に任せている所も多いです。
そんな面倒な対応を、自分たちがする位なら境界線ギリギリにある拾得物は外に出してしまえ、という冗談話です。
大型商業施設など広い敷地ともなると駐車場の敷地の境界線は、施設からかなり離れています。
落ちている場所にもよりますが、敷地外ギリギリな場所は人の目の届かないような所もあり、蹴って外に出しても見つからないかもしれません。
まあ、この話は現任研修で講師が居眠りしそうな受講者の気を引く為の定番話だと思います。
現任研修は朝から夕方までずっと座りっぱなしなので、退屈する警備員さんもおりついウトウトしがちになってしまいます。
そんな研修を少しでも耳を傾けてもらう為に、講師の人はこの様な気が紛れる話をしているのだと思います。
実際、現場で敷地外ギリギリに拾得物があるなんてシチュエーションなんて滅多にありませんし。
敷地外ギリギリにある拾得物を蹴って敷地外に出したところを見られでもしたら大問題です。
そんなリスクを負うくらいなら、多少面倒でもちゃんと拾得物として挙げた方がずっと楽だと思います。
まあ、その位敷地内と敷地外では扱いが変わりますよ、という話ですね。
貴重品や財布などの扱いは慎重に
敷地外ギリギリにある拾得物のお話でしたが、そんな拾得物の話に出てきた貴重品や財布などは、通常の拾得物の扱いの中でも対応が難しいと思います。
これらは拾得した方に報労金という形でお礼を受け取る権利が発生するのですが、対応した警備員がこの仕組みをうまく理解していないと後で大問題になります。
現任研修の時も講師の方はこれを一番指導したいのだと思います。
施設警備員として勤務していても、拾得物が発生しやすい現場とそうでない現場と色々あるので、拾得物対応自体をあまり経験していない警備員さんも結構いるのではないでしょうか。
一応、現任研修の時に学んでいるかと思いますが、それ以外でもネットなどの情報や先輩警備員などから学んで、間違った対応をしない様に気を付けて欲しいですね。