警備員の中でも施設警備員が取得する施設警備業務検定。施設警備員が取得していると施設警備の現場で役に立つと言われている資格ですが、施設警備の現場で、配置基準として「資格者を配置する事」と定められている現場が非常に少ないのです。そうなるとわざわざ施設警備の資格を取得する意味はないのでしょうか。
施設警備の資格が必要な現場
警備員は国家資格として警備業務検定という資格が有ります。
これは警備業の中の4つの分類の中から全部で6つの資格が有り、その資格が無いと該当する現場で仕事が出来ないと云う所もあります。
そんな警備員の資格ですが、施設警備員の資格に関してはあまり必要性を感じない気がします。
施設警備員は、オフィスビルや商業施設、大学や病院など様々な建物の現場があります。
それらの様々な建物の警備業務をする際に、資格を必要とする現場が圧倒的に少ないのです。
そう、資格が無くても施設警備員として働ける場所が多いのです。
現場によっては無資格の隊長がいる現場も普通にあり、現場で一人も資格を持っている警備員がいない、なんて所も珍しくありません。
交通誘導警備の現場の場合は、最低一人は居なければいけなかったり、資格を持った警備員を用意できない為に、工事自体が始められないなんて現場も。
しかし施設警備の場合は、規模の大きな施設でも特に資格が無いと警備の仕事が出来ない、なんて事はありません。
まあ、せいぜい施設側が「施設警備の資格を持った人がいた方が頼もしいから」
という理由で資格者の配置を契約に織り込むくらいでしょう。
そんな施設警備の資格は、あっても無くても、限られた現場以外では必要ないので「無理して取得する必要はない」と思っている人もいるかもしれませんね。
しかし、施設警備業務検定の資格が有る以上、決して取得しても無意味という訳ではありません。
転職する時に非常に有利となる
警備業務検定の資格を取得しているという事は、警備業務をする上で警備員としての一定の水準の知識を身に付けている、という事です。
同じ警備員でも、何も資格を取得していない警備員よりも、資格を取得している警備員の方が、本人にとっても周りから見ても、業務に関する信頼があると見られます。
また、警備業務検定の資格を取得した状態で、他の警備会社へ転職しようと思った時に、何も資格を取得していない警備員よりも、資格を取得している警備員の方が、その人の警備業務のレベルを知る事が出来ます。
資格を取得していれば、最低でも資格を取得できるほどの知識があると分かりますが、資格を取得していない人は警備員としての知識がどのくらいあるのか知る事が出来ません。
もし、面接で資格持ちと無資格の警備員2人のうち、1人しか採用されない場面に遭遇した場合、よほど人柄で抜きんでていない限り、資格持ちの人に勝てる事は出来ないでしょう。
いくら配置基準を必要とする現場が少ない施設警備の資格でも、知らない人がその警備員の力量を知ろうとした時、資格が有るというだけで優位に立てるのです。
配置基準の現場が増えた時の為に
今でさえ、施設警備の資格を必要とする現場はあまり多くはありません。
しかし、この先国内でも建物に関する犯罪の被害が多くなると、施設警備員を配置する時に「資格者を配置せよ」という規則が生まれるかもしれません。
一部、施設によっては施設警備の資格者を配置する様に独自に決めている企業もありますが、今後多くの施設が同じ様に施設警備員の資格取得者を希望する様になると、資格を持っているという事が多いに役に立つでしょう。
警備会社によっては、施設警備の資格を取得しても「その現場では配置基準が無いから」という理由で資格手当てが出ない所も普通にあります。
しかし、この先施設警備の資格が必要になれば、求人でも「手当あり」という文言が当たり前な世の中になるかもしれません。
いま、施設警備業務検定の資格を取得していても、配置基準が無い為に手当なしになっている警備員さんは、いつか手当てが貰える様になる日が来るかもしれません。
そんな日がやってきて、資格を取得した事が無駄ではなかった、と思える様な日が来ると良いですね。