<ケース:やる気>
O氏(20代)という警備員は初めは社会的常識の乏しい学生気分の抜けない新人かと思っていましたが、日に日に「あ、これやる気がないだけだ!」と分かったタイプです。最終的には自分でやる気がないと前の隊長に白状したので間違いないです。
接客業として失格
彼の場合は入った初日から驚きの連続でした。
初めは研修期間中な為、先輩警備員と同行するのですがまずはそこでとんでもないことが起こりました。
現場は商業施設で開店業務があります。いよいよ開店という時、開店業務をした警備員は自分の担当するシャッターが開く前で立哨して、開店時お客様が通過するのをお辞儀をして迎え入れます。
これは誰でも分かる事でしょうし、お辞儀をするのも当然だと理解できるでしょう。しかし彼は違いました。
先輩警備員がお辞儀をしてお出迎えをしているその隣で
壁にもたれてお客様をお出迎え!
後でその先輩警備員の報告を聞いて、防犯カメラを再生確認して知りました。
そこには壁にもたれる新人警備員に先輩がお辞儀をするよう促してる場面でした。
しかも、2度も!
そうなんです、一度お辞儀の指導を受けたにもかかわらずそのすぐ数分後にまた後ろの壁にもたれており、先輩から再度注意を受けているのその姿が・・。
思わず、すげぇと声に出して笑ってしまいました。
その時の先輩警備員のことを思うと笑ってはいけないんですがね。
でも、すげぇとしか言えませんでした。
サービス業でお客様を後ろの壁にもたれ掛かってお出迎えなんておまえは社長かと。(いやいや、社長こそそんなことしないか)
彼は専門学校を出て就活に失敗したらしく、繋ぎとして警備員になっていたようでどことなく警備業をなめていたのでしょうかね。
仕事の覚える速度は可もなく不可もなくまあ、若いだけあってそれなりに覚えてはいました。しかし、彼はやる気が無いという問題ともう一つ、
行動全てに挙動不審さがある点です。
コミュニケーション能力は大事
人とのコミュニケーションがうまく取れず、根が暗く話す相手がおらずに黙ってじっとしている。自分から積極的に話し掛けるなんて皆無。
警備員が挙動不審なんてスタートラインから間違っていますね。
どこの警備業も年齢層の幅が大きく会話に世代の壁がありますが、コミュ力があれば年の差はカバーできると思います。ましてやサービス業でお客様から声を掛けられる、もしくは声をかける可能性のある職種です。
聞けば、就活していた職種も「町の安全を守る大切な職業」でコミュ力が必須なお仕事です。面接で落ちたそうですが、彼を目の前にすれば面接で落ちたのも、もしかしてそのあたりが理由だったのではないでしょうか。
立哨中に目の前に誰もいないのにニヤニヤしていたり、無線機を使わせれば噛みまくり、言い間違いは当たり前。単純な緊急対応も現場に来ては立ち尽くすのみ。
余りにもひどい勤務ぶりに、当時の隊長が
「お前、やる気あるのか?」
と、叱咤激励のつもりでテンプレートなお説教したら
「はい、ありません」
とまさかのストレート返し。翌週には現場からいなくなりました。
やる気は士気にかかわる
現在、隊長な立場からするとせっかく入った人員なので無事に育って立派に職務を遂行して欲しいというのが本音です。
せっかく皆で貴重な時間を割いて教育したのに、抜けてしまうと残されたメンバーや会社に迷惑が掛かります。
その時には役に立たない奴はいらない、という隊員もいますが欠員という事は結局自分の首を絞めることになります。
繋ぎで入った警備業だとしてもいい加減な行動はそこのメンバーだけでなく会社にも迷惑が掛かります。
初めからやる気がないのであれば出来れば入って来て欲しくは無かったです。