今現在警備員の仕事をしている自分としては、警備員は誰でもなれるものだと思っています。しかし、この誰にでもというのはあくまで「普通の人」に対しての言葉で、普通の枠から外れた人にとってはハードルの高いものになってしまっていると思います。
特に必要な事は無いがアレは必須
まず、警備員になるための条件があります。
18歳未満の人や、わかり易く言うと反社の人などは警備員になれません。
他にも薬物やアルコール中毒者など色々な制限があります。
こういった人は、警備員の面接に行った時に該当しているとお断りされると思うので、入社する事が出来ません。
しかし、この警備業法以外に警備員になる為に必要な事があります。
もちろん、何の制約も法律も無いので入社する事は出来ます。
警備員になるのに出来れば持ち合わせている方が良いものそれは
「サービス業としての精神」
です。ここでよくお話しする、警備員はサービス業であるというものです。
警備員の仕事は誰にでも出来、どんな人でも入る事が出来ると思いがちですが、いざ入ってから「思っていたのと違う」と思い知らされる事柄の中にこの「サービス精神」というものがあります。
警備員の仕事をしてきて、新人の警備員さんの中にこのサービス業の精神が少ない人は、高確率で退職されています。
警備業と接客業はあまり関係性が無さそうに見えますが、実は警備の仕事というのは意外とお客様に対する対応の質を求められるものでもあるのです。
いい加減な対応をすると必ずクレームとして返ってくる職業なので、接客業が苦手な人は、警備員になる時に十分考慮した方が良いと思います。
サボり癖のある人は要注意
警備員の仕事は基本楽そうな仕事が多いです。
実際多くの警備員の仕事は、誰にでもできる程度の簡単なものが多いです。
建物の中を巡回する、周りを警戒しながら立哨する。
来客の受付をする・・
それほど難しいものではないと思います。
それほど簡単な仕事を、毎日同じ事を繰り返すのです。
そして毎日同じ事を繰り返すうちに
「ああまた同じ場所の巡回か、1回くらい行かなくても・・」
と同じ業務の繰り返しで飽きやすくなり、先程も同じ事をしているのだから1回くらい行かなくても大丈夫だろう、という考えに至りがちです。
しかし、毎回同じ事を繰り返すのが仕事なのにそれを放棄しては、もはや警備員の存在意義がありません。
毎日毎時間同じ事を繰り返し、常に異常が無いかを確認しているのに、もし巡回を誤魔化した時間帯に侵入者が犯罪を起こしたら・・
自分がサボり癖のあるタイプだと感じる人は、この毎回同じ事の繰り返しをする業務を本当に続けられるのかよく考えた方が良いです。
そして逆に、この繰り返しの業務に何の苦痛を感じない様な人であるのなら、警備員の仕事は天職なのかもしれません。
普通の人にとっては何の問題も無い
これら警備員の仕事をする時、人に対して親身になれる、または同じ事を繰り返し続けられるという、ごく普通な人にとっては警備員になる、という事に何の問題も無いと思います。
しかし、世の中は広いもので警備業界にはこの普通から外れた人が多くいるのです。
社会から受け入れられずに警備業界に来た人や、警備員の仕事しか残っていなかったから、またはかっこいいから警備員になったという人など色々な人が集まっているのが警備業界です。
いい人も居れば驚くような考え方をする人も居ます。
色々な人がいるから面白くもあるのですが、その分人間同士のトラブルもつきものです。
離職率が高い理由は色々ありますが、あらゆるタイプの人間がいる為にトラブルも起こりやすく入れ替わりが激しいというのも、離職率を上げる要因の一つだと思います。
普通の人が警備員になるのに障害になっているかもしれませんが、こういう人がいなくては業界が成り立たないのも仕方のない事なのです。
もっと普通の人が活躍しやすい業界にしたいのですが、こればかりはそう簡単に出来る物ではないのが難しい所です。