警備業界は人手不足です。その理由は色々あるのだと思っていますが、その中の一つに警備員になるまでのハードルが高いのではと思っています。普通の企業の場合は面接に履歴書をもっていき、採用された後も多少の書類を提出すれば勤務に就く事が出来ますが、警備員の場合は一般的な企業では提出しない様な書類を提出し、更に新任教育を受けなければ仕事に就く事が出来ません。このため、警備員にならずにほかの仕事へ流れてしまっている人も少なくないのではないでしょうか。
警備員として働くまでの長い道
警備業界は人手不足です。人手不足の理由は様々だと思いますが、その理由の中の一つに、警備員になるまで時間が掛かるという事です。
一般的な企業は、面接をする際に履歴書を用意し、その後採用されれば数枚の書類を用意し、初出勤の日から研修とはいえ仕事が始まります。
しかし、警備員になる時は面接と履歴書までは同じですが、その後採用の連絡が来てから、一般企業入社する時とは異なる珍しい書類を何枚も用意し、更に初日は現場に入る事も無く、数日間の新任教育が始まります。
特に警備員の仕事でなければいけない、という人でもない限りこれほど面倒な手順を踏まなければならないとなると、無理に警備員の仕事をするまでも無いと敬遠されてしまうのではないでしょうか。
警備業界が人手不足だと思う理由の一つが、まずは警備員になる以前の問題であるという、スタートラインにも立てていないのはまずいと思いませんか。
新任教育中に脱落する人多し
このスタートラインよりも前の問題でもあるこの障害を何とか乗り越えたとしても、新任教育期間中に脱落する人も少なくありません。
新任教育を経験してきた自分自身、あの期間は非常に無意味に感じた事もありました。
新任教育を指導する講師の方の教え方にもよるのだと思いますが、警備員になる為の教育としては、為になっていない様な講習をする講師もいたりします。
そして、警備員の仕事が初めての人にとっては
「え、こんな面倒な講習を受けなくてはいけないの」
という思いからか、途中でリタイアしてしまう人もいます。
過去にも同じ新任教育を受けていた人が、3日目から出て来なくなった事もありました。
教育を受けた他の隊員さんや営業所の人から聞いた限り、新任教育期間中にリタイアしてしまう人は意外と多く、理由は定かでなかったとしても、恐らく椅子に座って座学を受けるという行為が嫌だったのでは、と推測できます。
警備員になるような方は年齢が上な人も多く、今更お勉強なんて、と思う人も多いと思います。
警備業法が改正される前までは、もっと新任教育の時間が長かったのですが、今は多少短くなりました。
それでも、採用されたのに現場で仕事に就く事が出来ず、椅子に座って何日も講習を受けるのは、警備員になるのを避ける理由の一つになっていると思います。
仕事をする上で必要なもの
警備員として仕事をする時、仕事上、ある程度の責任が生じてきます。
人の命を左右するような仕事だったり、人の財産を守る為にその財産に一番近くで仕事をするなど、問題が発生した時に警備員が責められる場合もあります。
そんなトラブルにならない様にする為に、新任教育という講習を受け、警備員として守るべき法律を学ぶという事は、自分を守る為なのです。
これを学ばずして仕事をすると、クライアントやお客様に大きな損害を与えてしまうかもしれません。
その為、新任教育をうけるということは、たとえ面倒であっても受けなければならないのです。
まあ、新任教育期間中にその様な「責任」の話を聞いたからこそ、思っていたよりも責任のある仕事だと怖気づいて途中でリタイアしてしまったのかもしれませんがね。
人手不足の理由が、この仕事を始めるまでの道のりが遠いという事がもしかしたら無関係かもしれません。
しかし、少なくとも他の企業に入社するよりも明らかにハードルの高い「やるべき事」が多々あります。
しかも、警備員として採用された後も、定期的に現任教育という新任教育にも似た講習を受けなければならず、ずっと面倒な事は終わる事はありません。
警備員の人手不足が解消されるには様々な要因があるので、今後も直ぐにとはいかないと思いますが、傷害となるものが少しでも解消されて、警備員になる人が増えると良いな、と思っています。