今のヒマな施設警備の現場では、機械警備のセットをする設備がないといういわゆるローカルシステムがありません。自火報盤などはありますが、館内のパッシブや自動ドアなどのセンサー類など警備員の業務として比較的面倒だと思わる設備がありません。正直楽が出来てうれしい職場ではあるのですが、ここが初めての警備員さんはよそへ行ったら時、施設警備ってこんなに大変なのだと地獄を見る事でしょう。
ローカルシステムがなく自火報盤だけ
以前の職場もそうでしたが、勤務している現場には商業施設にあったようなローカルシステムがありません。
館内に機械警備システムを設置して、それを防災センター内で監視し、異常があれば監視している機器がそれを詰めている警備員に知らせる、という施設内で防犯システムが成り立っているものです。
世の中すべての施設にあるわけではないので、そのような施設警備の経験がないと触れる機会はないでしょう。
そんなローカルシステムがない現場で今は勤務していますが、あるのは設備監視室にある自火報盤とガスの遮断弁の作動を知らせる機械ぐらいです。
「自火報盤があるじゃないか」
と思うかもしれませんが、多くの施設警備員の方ならお分かりかと思いますが、自分の勤務する現場で自火報盤が作動して操作を必要とする事は
「10年勤務していて1度あるかどうか」
というくらい低確率なものです。
そう、自火報盤の発報なんてほぼないのです。
火災は発生しないに越した事はありませんが、自火報盤の操作を学んでも実践する機会はほとんどありません。
ガスの遮断弁の警報も同様ですね。
なので、ローカルシステムのない施設警備の現場は楽な現場と言えるでしょう。
こんなに楽な現場はないが実は
ローカルシステムのない施設警備の現場は、施設警備員さんにとって楽な現場だと言えます。
しかし、これには大きな落とし穴があって、施設警備の仕事をするからには、一度はローカルシステムのある現場の経験をしておいたほうが良いのです。
施設警備の現場ではローカルシステムのない現場もたくさんあるでしょうが、この仕組みをどこかの現場で経験しているかどうかで、その警備員さんの日々の勤務に違いが出ます。
たとえばローカルシステムがあると、夜間の巡回時に見回った警備員が戸締りの確認を怠ると、機械警備をセットした瞬間、未施錠のため発報したりするのです。
これは機械警備の仕組みにもよるのですべての機械警備が同じとは言えませんが、戸締りなどに対する意識が断然違います。
実際に機械警備のあった現場経験者と、未経験者では戸締りに関する意識の違いがみられました。
未経験者は扉の施錠を忘れた場所があっても「あ、閉まっていませんでしたか~」と失敗に対して笑っていましたが、経験者は「何やってんの!」と扉が閉まっていない事に対して厳しい態度でした。
別にその現場では機械警備は入っていないので、発報したりしませんが扉一つとっても両者の違いが判りました。
そしてそんなローカルシステムのない現場で仕事をしていると間違いなく警備員としての経験は積めません。
ましてやそこが初めての施設警備の現場だった場合はなおさらです。
ローカルシステムがどんなものかさえ知らないので、もし違う現場へ配属になった時、機械警備の設備を初めて触るので「お前そんな事も知らないのか」という言葉を言われる可能性もあるのです。
施設警備員として特にする事もなく楽な仕事だ、と楽観していると後で苦労することになるでしょう。
楽な現場はベテランが行く所
ある程度機械警備の事を経験してきて、施設警備と言われる業務も一通り学んでいる人にとっては、楽な現場で充実した日々が送れる事でしょう。
いろいろな状況に対応できる経験者は、ヒマな現場で仕事をしていてもまれに起きる事案に対しても的確な対応ができるでしょうし、ハードだった現場よりもイージーな事案しかありません。
新しい現場でもまさに「強くてニューゲーム」な状態です。
今まで経験してきたような事が起きても、過去の経験が活きるので無事に解決できます。
楽な現場は、ベテラン警備員が行って初めて本人もクライアントも喜ぶ現場といえるでしょう。
楽な現場は経験者でも未経験者でも誰でもできますが、多くを経験したベテランが配属してこそのんびりとどっしり構えて居られるのです。
未経験者は楽な現場で簡単に覚えられる仕事しかないので、すぐに慣れるでしょうがそれ以上の事は出来ません。
何せ今までの経験がないので、この現場で積み重ねのできる経験をする事が不可能だからです。
今この現場でしか経験のない施設警備員さんがいますが、彼らが違う現場へ行った時、どれだけの衝撃を受けるのか心配です。