多くの警備員の勤務する仮眠室は汚いと思います。誰かが掃除をするだろうとか布団を干さなければシーツ交換もしない現場もあるでしょう。そんな劣悪な仮眠室で仮眠しても疲れが取れるどころか増すばかりです。過去聞いた中で最悪と呼べる仮眠室での経験はありませんが、それに近い仮眠室での仮眠も経験しました。
警備員の仮眠室はまるで奴隷部屋
施設警備員には当直勤務があり、その当直勤務には仮眠時間があります。
普通の施設警備の現場なら仮眠室があり、仮眠時間にはその部屋でわずか数時間ですが仮眠をとるのです。
私は警備員になるまで、こういった仮眠室という部屋を利用して仮眠するという経験がありませんでした。
初めて警備員になって仮眠室を使うという日は、自分の家以外で「職場で寝る」という行為にどんなものかと若干ワクワクもしましたが、直ぐにその期待は裏切られました。
狭い部屋に2段ベッドがいくつもあり、エアコンが壊れているのに修理もされず部屋の中はジトっとする。
そしていざ布団に入れば湿っている様な印象を受け、ぺしゃんこの布団に色々な人がそこで横になったであろうと分かる加齢臭や足の臭いにおい、また1週間ごとに交換する衛生面を疑う様なシーツ。
私は数か月でその仮眠室で寝るのを止めました。
初めのうちは慣れない仮眠で、疲れもあったので何とか寝られましたが、だんだん環境に慣れてくると、その仮眠室の劣悪な環境に不満を覚え、空調も快適な防災センター内で寝る様になりました。
あんな仮眠室で平気で寝られる隊員さんは、余程自宅も汚いに違いない。
警備員はたとえ同僚であったとしても、その日風呂にも入っていない状態で何人もの人が寝た臭い布団で、仮眠をして疲れを取らなければならないのです。
私はそんな部屋で仮眠をした方が余計に疲れると心底思いました。
中には個室で超快適な仮眠室の現場も
しかし、施設警備の現場にある仮眠室が、全てそんな劣悪な仮眠室とは限りません。
今まで経験した仮眠室の中でも、個室の仮眠室という現場もありました。
完全に寝る為だけの部屋、それ以外は何もなし
という部屋です。
部屋の大きさが4畳もない小さな部屋にエアコンが完備されており、そこにシングルベッドが1台あるだけの部屋です。
空調が付いて、完全個室
たったこれだけですが、これ以上恵まれた部屋は無いと思いました。
今までは小さな部屋に無理やり2段ベッドを押し込んで、大勢が寝るような状態の部屋や、かび臭い匂いのする和室の部屋に汚い布団が置いてある仮眠室など
警備員に対する待遇はこの程度
の様な仮眠室ばかりでした。
それがある現場では完全個室なのです。
テレビこそ置いてありませんでしたが、どうせ仮眠をするのにテレビは不要。
そもそも今時テレビなんて誰が見ますか。
皆スマホで自分の好きな動画やゲームをしていますよね。
しかも寝るための部屋なので、ベッド一つあれば十分です。
施設警備員としてあの仮眠室は最高だったと思います。
世の中、いろいろな施設警備の現場がありまた色々な仮眠室があると思いますが、中には驚くような施設で仕事が出来る現場もあるのだと思い知らされました。
恵まれた仮眠室かは配属先次第というガチャ要素
施設警備員としていろいろな現場で働くと、前の現場とは違った環境で働く事で様々な違いに気づく事があります。
前の現場と比較して
「ああ、あの施設の設備は充実してたな」
というのは良くある話です。
前の現場よりも次の現場の設備の方が良かったりすればまだ良いですが、明らかにレベルダウンしている設備であったりすると、悔しいというか落ち込みます。
キレイな仮眠室や、シャワー室などがある現場は気持ちよく働けますが、汚い仮眠室や24時間勤務するのにシャワー室すらない現場では働く意欲が欠けます。
恵まれた現場での配属は、ある意味ガチャ要素の様なものを含んでいますが、配属前にどんな施設か下調べをし、会社と交渉できると良いと思います。
しかし、そんな交渉が出来るのは誰にでも可能というわけではなく、少なくとも長年その警備会社に貢献してきており
・会社に必要な人材であると期待されている人物か
・該当業務に関する検定資格を有しており、これまた会社にとって必要な人材であるか
という条件をクリアしている様な人でない限り、わがままを言おうものなら
「お前ごときが偉そうな事を言うな」
と直接は言わないにしても、それに近い言葉を返されて終わりでしょう。
仕事に対してそれなりの要求をするなら、会社に対してそれなりの貢献をしていない限り、会社はそれに答えてはくれません。
過酷な仮眠室で寝るのが嫌なら、まずは自分の実力を付けて発言権を身に付けて、より良い環境の現場へ異動させてもらえるようにしましょう。