花火大会をするにあたって、警備員が手配出来ない為に催し物が延期になったというニュースを見ました。大阪万博に多くの警備員を動員している為に、地方の花火大会が予定の日程に開催できず、万博後にずらしたという事らしいです。警備員さえいれば延期しなかったのに、という怒りの矛先が警備業界に向けられるのはお門違いだと思いませんか。
警備員不足で花火大会が延期
今現在大阪万博に大勢の警備員が配置されています。
全国の警備会社から、集められた警備員は新しく入社した警備員さんも居れば、自分の現場から離れ、一時的に大阪万博の現場に在籍している警備員さんもいる事でしょう。
自分の現場から一時的に離れているという事は、そこではかけた人員をカバーする為に通常よりも出勤日数が増えた警備員さんも居るかもしれません。
そんな時に、その地域で花火大会があり、たった1日の臨時の警備員が必要だと言われても回せる警備員は居るはずもありません。
その為、ある地域では大阪万博が終了後に花火大会が延期された、というニュースを見かけました。
警備員が足りない為に、本来は8月に開催予定の花火大会が、万博終了後の11月に延期されたとの事です。
このニュースを見た時、花火大会を楽しみにしていた一般の人はどう思った事でしょうか。
警備員に怒りの矛先が来るのはお門違い
花火大会が延期されたのは警備員のせい・・
まさかそんなこと思っている人は居ないよね、と。
警備員さえ手配出来れば花火大会は例年通りの日に開催したのに、警備員が断ったせいで延期した、なんて思われていないか心配になりました。
警備会社がちゃんと人員を用意しておかないから延期した、と警備会社のせいだと思う人がいるのだとしたらそれはお門違いもいい所です。
警備業界は元々人手不足な業界なのです。
そこへ約半年間も、相当数の警備員を必要とする万博が開催されており、そのイベント会場でも警備員が足りない状況だと言われています。
そんな状況下で、警備員が必要な催し物を開催しようとしても、万博に大勢の警備員を取られてしまっているので、警備員を手配できるわけがありません。
これをもし解決したいのであれば、警備員の仕事をしても良い、と大勢の人が納得するような待遇にしなければ変わる事は無いでしょう。
給料の底上げと社会的地位の向上
警備員は社会的地位の低い仕事と言われています。
そしてそれに合わせて賃金も高くありません。
それらが要因で警備員の仕事をしたい、という人がおらず何十年も人手不足なのです。
まあ、警備業界が人手不足な理由はこれが全て、というわけでも無いのですがね。
そんな状況にもかかわらず、世の中は年々物騒になり、催し物をするにあたって警備員を配置する需要が高まっています。
しかし、肝心な警備員という人材を満足に手配出来ない為に催し物が延期するという事態になっているのです。
これは以前から小さな兆しはありました。
工事現場で交通誘導警備員が用意できないので、工事そのものが始められない、というものです。
今では、これが万博という大きな規模で問題視されているのです。
解決するには、警備業の社会的地位を上げ少しでも多くの人が警備業に参入しやすくするのと、安い賃金を上げる事で警備員の仕事をしても安定した生活が送れるようにならなければ、この先も各地で催し物が延期または中止する事になるかもしれませんね。