警備員が資格を持つという事は、それは未来を約束されたようなものと云ったら間違いなく言い過ぎでしょう。ここ最近は検定試験の合格率が例年になく高くなっており、資格持ちの警備員が周りにたくさん出るのかと思いきや、意外とそうでもないようです。
警備員が資格を持つ事
近年、コロナ騒動のせいで警備員の検定講習が軒並み中止となっていました。
年間、数回実施していた講習会が中止になるという事は、年間に発行する検定資格証も減るという事です。
それはマズいと感じたのどうか分かりませんが、ここ最近の検定合格率が上がっている様に感じます。
まあ、それは良い事なのですがあまりにも極端に合格率を上げてしまうと、本来落とすべきだったレベルの警備員に資格証を渡してしまう事となり、後で当人が問題を起こした時「なぜこんな人間に資格証を発行した」と世間や色々な所から責められるかもしれません。
とりあえず、ここ1年以内に合格した警備員さんおめでとうございます、これからもお仕事頑張ってください。
その資格証ですが、これがあれば会社からやっと一人前の警備員だと認められた感じになり、ますます仕事に精が出る事でしょう。
また、資格を持っているという事で給料がアップする会社もあるかもしれません。
ちなみにうちの警備会社では資格手当はありませんが。
そんな資格持ちですが、うれしいのは給料が上がる本人だけでなく、実は会社もうれしいのです。
資格者の多い警備会社
資格を持っている警備員が居ると、本人の給料が上がりますますやる気が出るだけでなく、実は会社側も喜ばしく思っているのです。
警備会社は仕事を獲得する時、よその警備会社とその物件を取り合いになる事があります。
普通は入札などの金額で勝負をしますが、その入札以外の売り込みとして
「うちの会社には資格を持っている警備員が〇人もいます」
と相手の警備会社よりも質の高い仕事を提供できると売り込めるのです。
警備員という人材を見た時、資格を持っているかいないかで明らかにレベルの違いを図る事が出来ます。
資格を持っていれば警備業務の事をよく知らない委託側もなんとなく「おおぉ」となるのです。
実際勤務地によっては資格を持った警備員が居ないと仕事をさせて貰えない現場もあります。
そんな資格者が一人でも多い警備会社は、さぞ警備員のレベルも高かろうというイメージが付きます。
会社側は何もしなくても、ただ資格者が一人でも多いだけで仕事を獲得できるのです。
警備員は資格があれば給料アップ
会社側は資格者が居れば契約ゲット
どちらもウインウインな関係なのです。
資格持ちでもダメな奴は居る
警備員の方なら分かると思いますが、資格を持った警備員が全員優秀とは限りません。
実際うちの現場でも、何人か資格を持った警備員がいますが、誰とは言いませんが資格者にそぐわない警備員がいます。
まあ、実は私もその一人だと言えばそうなのかもしれませんがね・・。
施設警備の業務でその対応は無いだろう、という様な事をしでかしたり、なぜ試験に通った?と思う様な知識しかなかったりだったのです。
これにはハッキリとした理由があるのを私は知っています。
そもそも2級の資格は警備員になりたての、何の知識の無い人でも取りに行けます。
なので、教本のみのその時だけの勉強で資格が取れるのです。
更に、勤務している現場のレベルが低いと、施設警備としての現場での経験が積めないのです。
毎日ただ座っているだけの現場か、毎日様々な業務を経験するかの違いです。
実はこの違いはとても大きく、私の周りにいる警備員さんたちはそれぞれこの両方の環境を経てきており、結果を見比べる事が出来ます。
やはり、ぬるい現場しか知らない状態で資格を得た警備員さんと、ある程度厳しい現場で経験を積んだ警備員さんとでは、同じ2級の資格を持っていても経験が乗っている分、対応力に差が出ます。
施設の現場経験が乏しい警備員さんは、別に本人が悪いわけではないのですが仕事の話になるとどうしても薄い気がしてしまいます。
そこで何とか更に知識を吸収しようと努力する警備員さんは伸びますが、現場の緩さに甘んじてしまう警備員さんは周りから取り残されて「使えない」警備員の烙印を押されてしまいます。
せっかく取得した資格なので、そこから更に磨きをかけて欲しいですね。