これからの季節、火災に関する事件事故が多くなります。商業施設で勤務している時は季節で火災が多くなるという事はありませんでしたが、館内で発報する火災発報の大半は誤報かイタズラです。しかし、それを確認するまでは真報かもしれないので、警備員も必死になって確認作業をするのです。
火災発報の多くは誤報である
施設警備員として商業施設で勤務していた時、緊張する業務だが何事も無く終了するものと言えば、火災に関する発報でした。
商業施設で勤務していた間、本当の火災として対応したのは1件のみ。
あとの火災に関する発報は、殆どが誤報かイタズラによるものでした。
ここでいう火災に関する発報は、タバコなどによる炎感知器の発報は含まれていません。
炎感知器は、自動火災報知機とは別の機器として設置されており、タバコによる炎感知器の発報はイタズラなどではなく、トイレの個室内でタバコを吸おうとしてライターやマッチで火を付けてはいるものの「火災が発生した」とはまた別の意味なので、これに関してはまたの機会にお話ししようと思います。
5年のスパンで統計を取った時、この期間にの火災発報があるとすると、私の経験上本当の火災は1件だけだったという事です。
この5年の間にどれだけの自火報盤の発報があったか数えてはいませんが、私のいた現場では1か月に1~2回くらいは発報していたような気がします。
その期間で、真報が1件なのでそれほど火災は発生しないという事です。
火災が発生するのが稀であるという事が分かりましたが、そんな稀にしか発生しない火災が本当に発生した時、ちゃんと対応出来るでしょうか。
本当の火災の時には失敗は許されません。
もしかしたら人命にかかわるかもしれない時に、警備員が慌てて対応を誤るなんて事は出来ませんよね。
そうならない為にも、普段からの訓練は必要なのです。
例え誤報でも警備員が必死になる理由
施設警備員は万が一火災が発生した時、来客者の避難誘導、そして火災の初期消火などの対応に追われます。
この時に、防災センターからの指示に従ったり、また火元での臨機応変な対応に追われる可能性もあります。
そんな失敗が許されないような事案を一発勝負で成功させる事は難しく、少しでもうまく対応できるようにと日頃から訓練をするのです。
毎月何度か火災訓練をしたり、時には営業中に自火報盤が発報した時も誤報かもしれないと分かっていても、連携を取りながら本番さながらで対応したりします。
本当に火災が発生した時は、人命に関係するミスは許されないのでこういった誤報やイタズラの様な発報でも貴重な訓練となります。
まあ、警備員の中には誤報やイタズラの様な発報と分かると、真剣に対応しない人もいますので、警備員全員がこの様な行動をするとは限りません。
そしてもう一つ、自火報盤は誤報やイタズラであっても一度発報すると、復旧しない限り一定時間が経てば「真報」と機械が断定し自動的に消防署へ信号を送信してしまう物もあるのです。
しかし、発報時に自火報盤の前にいるのは大抵その現場の責任者クラス、いわゆる隊長や副隊長なのでそんな事は分かっていると思います。
一度発報したら、少しでも早く誤報か真報かを確認し、誤報であれば復旧しなければ大変な事になってしまいます。
そうい意味でも、イタズラや誤報でも迅速に行動し、防災センターへ報告しなければなりませんね。
経験不足で対応出来ない者も多い真実
こういった事は、警備員全員が把握しているわけでもなく、中には施設警備員なのに警備室にある自火報盤を触った事が無い警備員もいます。
施設警備の検定を受講した警備員でさえ、実技で操作するのは本物の自火報盤ではないですし、警備室にある自火報盤もイタズラや誤報の少ない現場では、触る事は無いでしょう。
ましてや、現場によっては自火報盤は設備担当が操作する事になっている場合も多く、いざという時、警備員しかいない時に発報したらどうするんだろうという警備員もいるのです。
私が今まで一緒に仕事をしてきた施設警備員さん達のうち、約半数は自火報盤の操作が出来ない警備員だった印象があります。
警備員はいざという時に活躍を期待されていますが、何もなければ平和なものです。
仕事をしている大半がその何もない日々であるので、もしその万が一の日がやってきた時、経験不足な警備員は何が出来るのでしょうか。
そうならない為にも、日頃から「何をどうしたら良いのか」「監視盤の操作方法は」という疑問を自分で見つけて解決しておく必要があります。
いざという日は、やって来ないと言い切れませんからね。