先日、細密巡回中の隊員が落し物を見つけた、と連絡が入りました。
無人の館内で見つけた落し物なら、問答無用で持ち帰って拾得物登録するのですが、その日は館内の一部に何名か残留者がまだ居まして、落し物なのか残留者の物なのか判断の難しい状況でした。
営業時間内と時間外の落し物の違い
落し物は基本的に従業員の方が勤務している時間帯は、クライアント側に連絡して警備室側で保管せずにクライアント側へ持って行ってしまいます。
これは現場ごとで対応が違い、商業施設の時は完全に警備会社側に丸投げでしたので、警備室で預かっていました。
また、営業時間外になると従業員がいなくなってしまうので、商業施設の時のように警備会社に丸投げでない今の現場では、クライアントに持って行く事が出来ません。
なので、その場合は警備室で一日預かり、翌日クライアントに持って行きます。
で、今回は細密巡回中のクライアントがいない時間に館内に発見した落し物になります。
なので、通常なら警備室まで持ち帰って拾得物としての登録をし、翌日クライアントに持って行く案件でした。
しかし、今回はまた館内に残留者がおり、その残留者の持ち物が一時的に置いてあるのかもしれない、という可能性もありむやみに持ち帰れない状況でした。
残留者の部屋に入ることが出来ないので確認も取れず、落し物の近くにたまたま事務所があったので、事務所の中に置手紙とともに置いてくるという判断にしました。
もちろんこの時点で発見した隊員に持ち主の名のわかるものがないか、更に財布や携帯などの貴重品が入っていないかの確認は済んでいます。
後で、落とし主から無くなった物がないかの確認が取れるようにするためです。
警備室まで持ち帰るという行動もあったのですが、これなら万が一残留者が一時的に置いておいたのなら、問い合わせがあっても離れた警備室まで来なくても近場の事務室を案内出来ます。
貴重品だと扱いが面倒
通常落し物が貴重品であった場合、特に財布などは扱いが難しいです。
従業員などがいる日中なら、2人以上で中身の確認が出来ます。
これだと第一発見者の人物にあらぬ疑いをかかり難くなります。財布は現金が入っていることが多く、落とす前と金額が違う事があります。
なので、拾った際は早めに複数で中身の確認をした方が良いです。
携帯に関しては電源を入れたり、2つ折りタイプなら開くことは絶対にやってはいけません。着信があっても出るのは厳禁です。
絶対に後で問題になります。
今回は中身にそれら貴重品がなかったので、単独で対応させて事務所に置いてくる手段を選びました。
持ち主が問い合わせに来た
この拾得物も結果的には本人から警備室に連絡があり、事務所に置いてあることを説明し無事本人の手に渡りました。
やはり、残留者の方の物だったようです。
なぜ、そこに置いておいたのかまでは確認していませんでしたが、そのまま置いておいたら他の人に持って行かれていたかもしれません。
普通なら周りに持ち主がいないか暫く探すのですが、夜中であることと残留者の持ち物の可能性もある事から、事務所に置くという選択を選びました。
本人は少しの間だったかもしれませんが、見つけた警備員からすればいつから置いてあったかは分からないですからね。
たとえ2.3分前に少しの間置いておいたつもりでも、発見した警備員には落し物にしか見えません。
何にせよ、ちゃんと本人に荷物が渡ったのは本当に良かったです。