施設警備員が夜間巡回をする時に、残留者がいる前提で見回りをする時があります。その時、全ての施設が同じとは限りませんが、残留者がいる時は建物内の巡回が通常より多少は楽になります。本来は建物内に誰も居ない状態で行うべき巡回なのですが、人が残っている事で通常とは違う巡回になってしまうのです。
夜間巡回は誰も居ないのが前提
これが当然という訳ではありませんが、施設警備員は勤務している建物の夜間巡回をする時、基本的に誰も居ない状態で行います。
夜の時間帯であれば、施設自体も閉館しておりそこで働いていた従業員さんなども帰宅し、建物内のあらゆる戸締りがされている状態で「人がいない前提で」見回りが出来るからです。
人がいないという状態であれば、万が一扉が開いていれば、不審者が侵入したかもしれないという予測もしやすく、また人がいない事で建物内の変化に警備員が気づきやすいという点があります。
そういう意味では、夜間巡回をする時に、施設内に残留者がいる状態は警備員としては業務に支障が出るともいえるのです。
残留者が居るのが当たり前な施設もある
商業施設の勤務当時は、基本的に残留者がいない状態で夜間巡回をしていました。
閉館最終時刻までに帰宅しないと、翌朝まで施設内から出る事が出来なくなる、という規則が徹底されていた為に、テナントの従業員さんは閉館時間間際にダッシュで退館していました。
そんな現場で働いていると、施設警備の現場全てその様なものだと思っていましたが、別の施設の現場へ行った時
「残留者がいる状態での夜間巡回」
というものを経験して、すべて同じわけではないと知りました。
施設によっては閉館時間の無い所もあり、また従業員が残留している状態で夜間巡回をするのです。
ある施設では、残留者がいる状態での夜間巡回は日常的で、建物内が無人になるなんて事が無い現場もありました。
建物内に人がいる状態で巡回をしても、人の往来がある限り扉を施錠するわけにもいかず、もしかしたらガスの元栓も使用するかもしれません。
そんな中での夜間巡回は、いったい何を見たらよいのでしょうか。
残留者が居る事で変わる夜間巡回
残留者がいる状態での夜間巡回は、夜間に見回る意味があまりない様に感じます。
まあ、クライアントと契約で巡回する事になっているので、やるべき事はしますがね。
本来、無人になった建物内の戸締りの確認や、使う事の無い火気点検などをする為に、人のいない時間帯でもある夜間に巡回をしているというのに、ほぼ毎日残留者がいる中での夜間巡回は、確認するべき事が出来ません。
夜中にトイレへ行ったり、もしかしたら外に出る人もいるかもしれません。
中には調理室で火を使う人もいるでしょう。
これでは警備員が夜間巡回をしても戸締りも出来なければ、火気点検も出来ませんね。
それでは警備員が夜間巡回をする意味がありません。
ですが、契約で見回りをしなければならない
結果
「夜間巡回は最低限の見回りしかできない」
という事になります。
戸締りも火気点検も出来ないので、残留者が居る事を確認しつつ建物内を歩いて終わるなんて事にもなるのです。
日頃から楽をしたいと思っている警備員に言わせれば
「残留者のいる現場の夜間巡回は歩くだけで良いのでラク」
となります。
まあ、普通の警備員さんから見ても厳密にいえばそうなのですがね。
夜間にやるべき事が出来ないので、ひたすら巡回路を歩いて終了なんて事になります。
これを楽と取るか、やるべき事が出来なくて施設の管理が正常にできず不安、と取るかは人それぞれです。
一応、隊員さんたちは時間通りに見回りはしているので、業務的には何の問題もありません。
また全ての施設で残留者のいる現場がこの様に「巡回はただ歩いて終わり」とは限りませんので勘違いなさいませんように。