先日、ある警備員さんが待機を終えて自分のポストに戻る時、誰にも何も言わずに出て行きました。これって警備業界からするとやってはいけない事です。警備員は勤務に就く時、相勤者に今から自分はどんな勤務に就くのか、という報告をする必要があるのです。
只今より巡回へ出発します
今回の警備員さんは、施設警備経験が浅い人です。
聞いた限りでは、まともな施設警備の現場に勤務しておらず、一人現場の臨時警備ばかりやっていたそうです。
その警備員さんが待機明けに自分のポストにいざ就くという時に、誰にも報告せずに黙って行ってしまいました。
今の現場では施設警備経験のある人ばかりで構成されているので、新人の警備員に指導するような研修はしていません。
みんな、経験者なので最低限の知識はあると思っていました。
しかし、この警備員さんは新人の警備員と同じ程度の知識しかなかったのです。
全ての施設警備の現場がそうとは限りませんが、巡回に行く時や出入管理業務を交代する時など
「只今より〇〇巡回へ出発します」
「出入管理交代します」
など相勤者に今から自分がどんな業務に就くのか報告します。
普通の会社ではこんなやり取りは無いので、警察や警備業界などの特殊な職業ならではだと思います。
お前は黙ってどこへ行くんだ
今回の警備員さんの様にこの報告をしないと、相勤者としては彼がまだ待機中なのか、もうすでに業務に就いているのか、そして今どんな業務を行っているのか一切知りえません。
誰か一人にその事を伝えるだけで、彼の行動は相勤者たちに伝わります。
それを黙ってどこかへ行った時
「彼はトイレに行ったのか」
「それとも買い物に出たのか」
「もしかして勤務に入ったのか」
何一つ把握できません。
何か緊急事態があった時、どうやって彼にその事を伝えたら良いのでしょうか。
今自分がどこで何をしているのか「そんな細かい事を」なんて思うかもしれませんが、緊急時の事を考えると意外と重要な事なのです。
現場経験が無い哀れな警備員
こういった流れは、新人の警備員として現場へ配属された時に、先輩警備員から指導されます。
出発する時も戻ってきた時も、必ず相勤者に報告する事
初めに先輩がやって見せて次に新人にやらせてみる。
この様にして報告の大切さを学んだからこそ、研修を終えてもちゃんと勤務の始めと終わりに報告が出来るようになるのです。
しかし、今回の警備員さんはそういった先輩に指導された事も無く、ここへ来てからもまともに指導されずに仕事をしていました。
前々から気にはなっていましたが、余りにも目に付くために軽く指導する事になったのです。
もともと他の人よりもやや「おかしい」雰囲気のする隊員さんなので、今後もどうなるかは分かりません。
しかし、せっかくこの現場へ来て一緒に働くので、その間だけでも教えられる事は教えたいと思います。
そして、そのかいあって少しでも警備員らしく成れればそれでよいと思います。