警備員の制帽に限らず、制帽と言われる帽子には大抵あご紐が付いています。このあご紐、今では帽子のデザインかの様な印象がありますが、そもそも使い道がちゃんとあります。少なくとも私の知る範囲の警備員では2人しか正しい使い方をしていませんでした。そう、名前の通りあご紐の使い道はあごに引っ掛けるものなのです。
あご紐の正しい使い方
今日は予想通りものすごく寒い朝でした。
そして朝から夕方になっても強い風が吹いています。
強い風が吹く中外周巡回から帰って来た隊員さんが
「風が強くて制帽が飛ばされそうになりましたよ」
と言いながら警備室に帰って来ました。
この隊員さんはあご紐の使い方を知りません。
それ以前にウチの現場には制帽に付いているあご紐の部分が「あご紐」である事すら知らない隊員ばかりだと思います。
全国にいる警備員さんでさえ、いったい何割位その存在を知っているのでしょうか。
電車を利用する際に駅員さんをよく観察している人はご存じかもしれませんが、身近なところで一番あご紐を活用している職業だと思います。
そもそもあれは風で帽子が飛ばされないようにする為のもので、決して帽子の飾りではありません。
昔、私が風の強い日に外周巡回へ出発する時、先輩警備員が
「制帽が飛ばないようにあご紐を顎にかけていくといいよ」
と教えられて初めてその飾りだと思っていた部分の使い方を知りました。
しかし周りの隊員は風の強いでも、あご紐を使用して巡回へ行く様子がありません。
どうやらあご紐の使い方は知っていても、面倒くさいと言ってあご紐を使っていない様でした。
あご紐はカッコ悪くて使わない
今の現場でも風の強い日でもあご紐を使っているのは知っている限り一人しかいません。
あご紐の使い方を説明しても、なぜかもじもじしている状態です。
どうやら
あご紐を使用するのが格好悪い(恥ずかしい)・・
という様な感じでした。
確かに制帽を被った状態であご紐を使用するのは、ぱっと見違和感を感じるのは理解できます。
私自身、あご紐を通した状態で巡回するのは多少の恥ずかしさを感じます。
経験上、実際にあご紐を使用した状態で施設内を歩くと
いつも以上に人の視線を感じました・・あご紐部分に
普段見慣れている警備員さんでもあご紐部分を使用していると、一般の人でも気になる様であご紐部分に目線がいっているのが分かりますね。
入りたての新人警備員さんが制服を着て人前に立つ時の、照れの様な気分を感じます。
あご紐を勧められた隊員さんも、あご紐の珍しさを分かっているからこそ使用するのに照れの様な戸惑いを見せたのだと思います。
しかしその照れのせいで、強風時に制帽を飛ばされて追いかける羽目になるのはもっと恥ずかしいのではないかと思いませんか。
機能で選ぶか、見た目で選ぶか
駅などであご紐を使用している駅員さんは電車が入って来た時の風圧などで制帽が飛ばされないように、ちゃんとあご紐を使用しています。
恐らく規則などもちゃんとしていての事だと思います。
しかし警備業では風の強い日はあご紐を使え・・なんて教えられている事の方が少ないともいます。
少なくとも私の経験してきた警備会社では教えられなかったように思います。
教えられてのは現場の先輩からのみです。
あご紐を使った事のある方は良く分かっていると思いますが、風の強い日には本当に役立っています。
私もあご紐を使用した状態で突風が来た時に、あご紐を使用していなかったら間違いなく制帽が飛ばされていたであろう経験が有ります。
現場でも巡回から帰って来た隊員が、風が強くて制帽が飛んで追いかけて苦労した・・と笑い話として帰って来た事もあります。
しかし
制帽が風に飛ばされて制帽が壊れたら・・
制帽が飛ばされて紛失してしまったら・・
制帽が飛ばされて人の車に当たったら・・
あご紐が格好悪いからと言って、自分の見た目を気にした事でそれ以上に後悔するような問題が起こったら意味がありませんよね。
見た目を気にする事なく、機能を十分に利用できるのなら使用して余計な問題が発生しないようにしたいものですね。