先日、ある隊員さんと雑談をしていて警備会社に入社理由の話になりました。多くの警備員さんで入社した理由の一つに「警備員になりたかった」と答える人はいったい何人いるのでしょうか。
次の仕事が見つかるまでの繋ぎ
私が警備業界に入った理由は
「次の仕事が見つかるまで気軽に入る事の出来る警備の仕事をやろう」
という気持ちで入社しました。
そうです、初めの警備の仕事を選んだ理由は単なる繋ぎの為でした。
とりあえず、何か仕事をしないと食っていけないから、という理由で入社したのです。
警備員の仕事しながら次の仕事を探し、決まったら出て行こう・・と言う気持ちです。
まあ、アルバイト感覚で始めたようなものですね。
しかし、実際警備員の仕事を始めると覚える事がとても多く、休日は体を休めるだけとなり、次の日はまた仕事・・。
という日が続き、次第に職探しをしなくなりました。
そしてついに警備の仕事を10年以上続けていました。
今では全く職探しはしていません。
この先新しい仕事を探すのも年齢的に無理でしょうし。
この様に警備員の仕事を始めるとだんだんと抜け出せなくなるのです。
警備会社しか雇ってくれない
警備員の仕事を始める前、新しい職を探していてもなかなか見つかりません。
応募してもなかなか採用されず、自分としては新しい事にチャレンジする気はあるのですが、社会がそれを受け入れてくれないのです。
まあ、自分の職歴がしょぼい為という事もありますが、一度社会のレールから外れるとなかなか元に戻れない、という事を実感させられました。
いつまで経っても仕事が見つからない状態もよろしくないので、いったん雇ってもらえそうな職業に就いて、働きながら本当にやりたい事を探そう、と警備の世界へ飛び込んだのです。
面接では当日に合格を言い渡され、こんなに簡単に内定を貰えるものなんだ!とびっくりした記憶があります。
あれ程面接をしてもどこも受け入れて貰えなかったのに。
先日も、転職の事で隊員さんと話していた時、やはり誰も似たような境遇で警備員の世界に入って来たようです。
取りあえず繋ぎで、という形で入社した人が多いようです。
そして気づいたらずっと警備員、という状態までも同じという。
思いのほか楽で転職しない
警備員の仕事をしながら仕事を探す、という境遇は結構よくある話で、気づいたらずっと警備員してた、までがセットの様です。
これは現場にもよるので、ずっと警備員を続けるかどうかは配属した現場にもよります。
警備員という仕事が、とても楽な仕事という先入観を持っている人はキツイ現場へ行くと「思ってたのと違った」と直ぐに辞めてしまいますが、楽だという先入観の無い人だと、今度は逆に「え、こんなに楽なの」という驚きで転職を忘れてしまう様です。
警備員の仕事が楽だという前情報はあまり聞かないので、入社してくる多くの人が「思ったよりも快適」と感じる様で、抜け出せなくなるのかもしれません。
結果、当初は警備員になるつもりで無かったはずがいつの間にか立派な警備員になっているのです。
警備員の面接しか受からなかった人や、少しの間の腰かけ程度に、という気持ちで入社した人が多い警備業界ですが、少なくとも周りに「自分は警備員になりたかったんだ」という人には今だに出会っていません。
動機が不純だったかもしれない人でも、今は立派な警備員だったりします。
もし、初めから警備員になりたかった人が警備員になったら、その後の仕事ぶりはどんな状態になっているのか非常に興味があります。