施設警備員として警備室を利用させていただいている現場もあると思います。この部屋はクライアントの所有している部屋で、警備員が利用させていただいているものです。そんな部屋は定期的に警備員が清掃するのですが、隊員の中には自分から率先して清掃する人と、どれだけ汚れていても一度も清掃しようとしない隊員さんがいます。
警備室は借り物の部屋である
警備室はクライアントの所有している部屋であり、警備業者はその部屋を業務に必要なものとして利用させていただいている状態です。
部屋の中には広さにもよりますが、警備会社が持ち込んだ棚や電化製品、また仮眠用の布団などがあると思います。
そんな部屋で警備員は待機時間に食事をしたり、仮眠を取ったりと業務とは直接的な関係は無いかもしれませんが、業務を行うにあたってなくてはならない空間です。
そんな警備室内ですが、毎日何にもの警備員さんが利用していればゴミも出れば汚れもします。
その警備室の利用の仕方は現場ごと、警備隊ごとのルールがあると思います。
私の勤務している現場の警備室は、ゴミ出しのルールはあるにしてもそれ以外はそこまで細かい規則はありません。
警備室内は業務と待機に使用する空間ですが、みないい年した大人なはずなので常識のある使い方が出来ると思っています。
掃除道具も用意してあるので、もし気になったら自発的に掃除も出来るであろうと。
しかし、現実はそう甘いものではありませんでした。
清掃する人と全く清掃しない人
殆どの警備員さんが、みな同じ様に警備室を利用しています。
待機時間に食事休憩を取ったり、24時間の当直勤務の人は警備室内にいる間、何かしらのゴミを出すでしょう。
それは業務に関係のあるゴミや、自分で出したゴミも含めてです。
そんな誰もが利用している警備室内を定期的に清掃する人と、掃除をしている所を今まで一度も見た事が無い人に分かれています。
室内は警備隊の者しか出入りしていないので、掃除をするのはその部屋を利用している警備員全員です。
しかし、掃除当番制にしていないので、気が付いた人がする形になっています。
自分が利用した後に掃除をする様にすれば、常に部屋は綺麗な状態を保てるかもしれませんが、そこまで徹底する必要も無いかとルールにはしませんでした。
それがいけなかったのか、人によっては全く掃除をしない人が出てきてしまったのです。
「誰かがするだろう」
という人任せなズルい人間が、定期的に清掃してくれる警備員さんの善意を利用しているのです。
言われなくても動く人と言われないと動けない人
「楽が出来るならしたい」と思っている人は多いと思います。
しかし、規則だから仕方なく従う、という人もいるのである意味規則は必要なのかもしれません。
それでもみんなで使用しているのだから、すすんで掃除をしようという善意を期待しても無駄だという事が良く分かった結果でした。
部屋が汚れてきたから掃除をする、特にそうしようと決めたわけでもありませんが、掃除道具があり、気になったから掃除をした、という「人に言われなくても行動が出来る」人と、いくら掃除道具が置いてあったとしても「言われていないから何もしない」という人がいる事が分かります。
この様な人は実は仕事にも影響が出ていて、誰かに言われなくても行動が出来る人は、業務を改善しようとする提案や、自発的に改善が出来ます。
しかし、言われないと何もしない人は、仕事も言われた事しかできず、様々な業務でも機転を利かせた行動が出来ません。
警備員は上からの指示がない限り「言われた事以外の事はしない様に」と指導を受ける事があります。
指示されていない余計な事をすると大きなミスにもつながるので、現場としては「言われた事以外はしない方が良い」という場面は確かにあります。
ですが、時には言われた事とは反対の行動が正解な時も稀にあり、その際に
「あれ?これって・・」と
気付いて正しい行動が取れると、現場としては助かる事もあるのです。
掃除の様な些細な事でも、業務に関した行動と同じ様に、自分で考えて何が正しいのか、行動しても良いのかという事が判断できる人が、たとえ警備員のような仕事だとしても現場に一人は居て欲しいのです。