同僚の警備員を見ていると、お客様に対して無口で事務的な対応をする人と、おしゃべりで親しみ易い対応をする人が居ます。警備員になった当初、先輩警備員から「施設警備員は利用者に施設内の規則を守ってもらう為、ある意味嫌われ役な立場になる事もあるから、相手と親しくなりすぎてはいけない」と言われました。過度に親しみ易い警備員になってしまうと、規則を破ろうとした相手に対して強く言えなくなってしまったり、相手から「これくらい許して」なんて言われてしまう事もあるからだそうです。
警備員は相手に規則を守らせる仕事
警備員という仕事は業務を行う上で、お客様という相手に対して「お願い」をする事が多々あります。
施設警備員で云えば、出入管理の受付で来訪者に対して
「身分証の提示をお願いします」
と規則に従ってもらう為のお願いをしたり、営業時間が来たので施設から速やかに退店してもらう為に敷地の外へ出る様お願いしたりします。
警備員の業務を履行する為に相手にお願いをする時、場合によっては相手が警備員の指示に従わなかったりするかもしれません。
こんな時、日ごろから顔見知りでもある相手の時、普段からの警備員との関係性で態度に違いが出る事も有るのです。
親しくなり過ぎた事の弊害
警備員になり立ての頃、先輩警備員から
「警備員はある意味、嫌われ役な仕事をする事もあるので、あまり相手と親しくならない方が良い」
と言われました。
サービス業の様な仕事の場合、お客様などの相手をする時、日ごろから会話をよくて親しみ易い人物という印象を与えておく事もテクニックのうちの一つです。
一応、警備員もサービス業と呼べなくもありませんが、個人的にも先輩警備員の指導と同じく、あまり警備員がおしゃべりであってはいけないと思っています。
警備員というのは、施設内にいる相手に対して規則を守ってもらうためにおねがいをしたり、また防犯として常に目を光らせている立場の人間です。
そんな人間が、お客様に対して過度におしゃべりであったり親しみ易過ぎるのは、警備業務を行うにあたってマイナスであると思うからです。
例えば、家で買っている番犬が昼間であろうが夜中であろうが、誰が訪問してきても吠えもせずしっぽを振って寄って来ては「番犬」としての意味がありません。
警備員もこれに似た様なものだと思っていて、誰に対しても気を許し過ぎていたら
「あの警備員チョロい」
と思われているかもしれません。
警備員はある程度、厳しそうな見た目で規則に厳しそう、と思われているぐらいの距離感が警備員が業務を行うのに丁度良い、と思っています。
ビジネスとしてある程度の距離を取る
だからと言っておしゃべりな人は警備員に向いていない、というわけでもありません。
また、あの警備員は無愛想で感じが悪い、と見られてしまうのもやり過ぎです。
通り過ぎた時に元気な挨拶をしてくれるが、必要以上な無駄話はしない、無口だが仕事はキッチリ出来る人、と見られる警備員が理想なのではと個人的には思います。
もちろん、相手から話しかけられば会話も返しますし、愛想が悪いわけではありません。
まあ、この辺りの対応がどの警備員さんでも意識してできるか、と言えば全員には無理だと思います。
周りの警備員さんを見ていても、人付き合いの上手くない、むしろ苦手とする様な人は沢山いますし、無理やりやらせても逆にクレームが来るかもしれません。
理想はそういった対応が出来る警備員さんばかりだといいのですが、それは無理なので、過去に先輩警備員から指導を受けた言葉を隊員さん全員に指導はしていません。
おしゃべりが好きで、親しみ易い警備員を無意識に実施している隊員さんもいますが、それはそれで良いとも思っています。
警備員は、色々な人がおり対応も人それぞれです。
個人の色が出過ぎて、たまにそれがクレームとなってしまう事もありますが、クレームが来そうな時は、個人の色が出過ぎる前に指導する事もあります。
現場によっては無口な警備員が良かったり、おしゃべりな警備員の方が良い場合もあります。
いろいろな対応をする警備員さんがいる事で、いろいろな発見が出来るという事も有るのです。