どこの現場にもいましたが、同僚と余り会話をせずに孤立している警備員さんがいます。最近の言葉で云うといわゆる「コミュ症」と言われる人です。人と会話するのが苦手で、人付き合いが上手くない人の事を指しています。今では社会でも普通に認知されている様な人ですが、仕事をする上で困った事も起きるのです。
同僚と会話をする事で業務の確認が取れる
普段、警備業務をする上で警備員同士でのコミュニケーションは重要です。
仕事のやり取りの情報交換をする時に「引継ぎ」という報告がありますが、警備員はそれ以外にも雑談をしているような会話の中でも、仕事に関した話をする事もあります。
まあ、こんなやり取りは警備業界に限らず、どこの企業でもある事だと思います。
人と会話をして業務の知識を交換したり、雑談の中で直接業務の重要な事ではなくても、仕事を円滑にするのに役立つ知識など、同僚と会話をしないと知りえない事柄です。
別に話をするスキルが特に高くなくても、会話をするだけの事なのですが、人とコミュニケーションを取るのが苦手な人は、普段からこういった雑談のような会話を一切しません。
仕事の事で何かわからない事があっても、特に業務に支障が無ければ相手から質問してくる事はありません。
また、雑談でもとこちらから話しかけても、返事はするもののそれ以上話に乗る事もなく終わってしまいます。
周りの隊員さんも初めのうちは、何とか打ち解けこめる様にと話しかけるのですが、愛想のない反応しかしないので、最後は誰も話しかけなくなってしまいます。
研修時以降の知識のアップデートが無い
仕事に関する質問や疑問、または雑談のような会話もないので、仕事に関する知識は何も向上しません。
周りは、毎回仕事で発生した事やちょっとした工夫などいろいろ情報交換をするので、その職場での知識が増えていきます。
引継ぎノートなどもあるので、孤立したような警備員さんでも知識を得る事は出来るのですが、それは業務に関して重要な事のみが書かれているので、仕事に関するマメ知識の様な小さな事までは書きません。
自動ドアの修理業者は〇〇だとか、事務所の〇〇さんは〇時に出勤してくるなど、挙げたらキリがありませんが別に全員が知らなくても良い事ですが、もし知っていたらいつか仕事の役に立つ事があるかもしれない。
という内容などは、雑談などでしか得られません。
コミュニケーションを取るのが苦手な人は、こういった配属時の研修の時よりも後に得られるような情報を耳にする事が無いのです。
こういった情報は、時には仕事をする上でトラブルを回避するのに役立つ事もあるのですが、会話をしない事でお得な情報を得ていないので、トラブルを起こしてしまう事もあるのです。
知識が無いので勝手な判断をしトラブルを起こす
コミュニケーションを取ろうとせずに孤立している人は、知識と情報不足でお客様とトラブルを起こしてしまう事が良くあります。
相手に対して業務上は正しいやり方をしているのかもしれませんが、穏便に対応する裏ワザ的な情報を仕入れていないので、トラブルになってしまったなんて事があったりします。
後は、業務に関して自分では分からない事を、同僚に質問して解決しておかなければならない所をそのままにしていた為に、いざその場面に遭遇した時、自分の勝手な判断で対応しトラブルになる事もありました。
周りからすれば
「自分で理解していなかったのなら、なぜ質問し把握しておかなかったんだ」
という思いです。
同僚も質問されれば答えますし、更に上手いやり方も教えられます。
しかし、本人がどこまで理解していないのか分からないので、質問しなければ何も教えられません。
酷い人だと
「何かわからない事はありますか、大丈夫ですか」
と聞いても
「大丈夫です」
と一言だけ返す隊員もいます。
そういう隊員に限って何も理解していなくて、全然大丈夫ではなく後でクライアントからクレームが入ったりします。
最近では、毎日鍵の貸し出しをしているその鍵が、どこの部屋を開ける何の鍵なのかさえ知らない隊員がいました。
巡回などのないポストで直接本人とは関係のない隊員だったのですが、何の鍵なのかなどと聞こうという姿勢すらないという程無関心でした。
自分が知らないという事で、後でトラブルになるのかもしれないから、これは聞いておこう、という不安があれば行動に移せると思うのですが、こういう人は人とコミュニケーションを取りたくない様なので、質問しようとはしない様です。
まあ、そうと分かっていれば、こちらが上手に付き合おうとすれば出来ない事もないのですがね。