今まで勤務してきた現場に食堂がありました。どこの施設にもあるわけでは無いですが、私が配属してきた現場には偶然にも全てありました。そしてその全ての食堂に言える事なのですが、共通してご飯がおいしくありません。世の中の全ての施設の食堂のご飯がおいしくないという訳ではありませんが、現場を見てきて何となく理由が分かった様な気がします。
施設内の食堂の利用
施設警備員は建物の管理として屋内で仕事をしています。
その多くの場合、建物の中に食堂があったりします。
これは施設警備の現場の配属先によっては、食堂の無い所もあるでしょうが、今回は食堂のある現場のお話です。
それなりな大きさの建物には食堂があったりします。
従業員の人数が多かったり、来客者も利用出来るようにと併設されている場合もあるでしょう。
そんな食堂ですが、もちろんそこで働く施設警備員もその食堂を利用できます。
まあ、これは施設によっては「警備員さんは利用禁止」なんて言われている所ももしかしたらあるかもしれませんので確認は必要ですね。
警備員も利用できる食堂ですが、今まで配属されてきた現場には必ず食堂がありました。
いづれもそこそこ大きな施設だったからかもしれません。
午前11時位から14時くらいまで営業しているとこが殆どだったので、待機時間が変則的な施設警備員でも、各々交代の時間帯でも利用する事が出来ました。
そんな施設内にある食堂ですが、残念な事にメニューの少なさ、ボリューム、味の不満など様々な点で問題がありました。
食堂のご飯がマズい理由
丁度今の現場に来る前の職場にも食堂があり、一度だけ利用した事がありました。
席は50人以上は座れるほど大きなフロアとなっており、食券を購入して利用する食堂でした。
その現場には、5年以上勤務していましたが、先ほどもお話した通りその5年の間で食堂を利用したのは「1度だけ」です。
なぜ何年も勤務していて、食堂を一度しか利用しなかったのかというと
「味が好みのものでは無かった」
という事です。
まあ「好みのものでは無かった」とやんわりお伝えしていますが、これは私個人だけの好みという訳ではなく、多くの人の舌に合わない、いわゆる「マズい」という表現です。
世の中にあるすべての食堂がこれに当てはまっているわけでは無いですが、多くの場合食堂を運営している企業は、その施設が世間に募集して業者を選んでいます。そう
「入札制度」という競争です。
その施設で食堂を運営するのに他の企業と金額を競い合って、営業権を勝ちとるのです。
如何に他社よりも安い金額を提示して落札するか、という競争なので、安く仕事を取る事ができた企業は、場合によっては提供するメニューや食材に影響が出ます。
そう、私が配属した現場の食堂はいずれもこの「安い落札」によってメニューや食材に影響が出ていたのです。
地元でも聞いた事のない様な、小さな家族経営の会社が入ってきてパートさんもまともに入れる事が出来ず、その為に食事の提供にも影響が出る始末で、従業員ですら昼時に足を運ぶ人が少なかったのです。
私はその現状を見て、食堂は絶対に入札制度で決めてはいけないな、と感じたものでした。
まあ、たかが警備員の思っている事なので、ここでどうこう言っても何も解決しませんが、同じ様にそう思って食堂に行かずに、仕出し弁当を頼んでいた従業員さんも多かったと思います。
これでは何のための食堂か分かりませんよね。
しかも、その食堂はこれ以外にも問題があったのです。
警備員は台所事情を知っている
入札制度の為に、安い金額で落札した会社は、最低限の金額しか貰えない為に、本来食堂を利用する多くの人を満足させる平均的なサービスが提供できず、利用者も運営側も得をしないという状況になっています。
そんな事情を知らない人は「あそこの食堂はダメだ」とか「なんであんな会社が」という噂が立ちます。
警備員はそういった話を周りから聞く事がありますが、そんなお金にまつわる台所事情以外にも「物理的な台所事情」も知っているのです。
入札などの金額的な事情は、従業員の人の中には知っている人もいるでしょうが、お金と現実両方の台所事情は、警備員しか知りません。
その物理的、現実の台所事情とは「厨房の管理」の事です。
警備員は建物の管理の業務の一つに、夜間の巡回があります。
この巡回は、建物内のあらゆる部屋に入り、戸締りや火気点検などの漏れが無いか見て回ります。
この時、食堂内の厨房もガスの元栓の確認の為に入るのですが、店舗によっては厨房内がとても汚い場合があるのです。
夜間巡回での厨房内の汚さについては、ここでも今まで散々お話してきましたが、お客様に見えないエリアでもあるので、お店によっては清掃が行き届いていない所も普通にあります。
その汚さについては、今回はお話しませんがこの安い金額で落札した会社も、厨房内の管理は杜撰なものでした。
多くの警備員さんが、夜間巡回でその食堂の厨房を目撃しているので、警備員以外に口外する事はありませんでしたが、直属の上司にあたる従業員には報告済みです。
その為、全員ではありませんが警備員の殆どの人は、その食堂を利用する事はありませんでした。
施設警備員が勤務する現場に食堂がある場合、お金の事情や厨房内の様子など、警備員は多くの情報を知る機会があると思います。
口外してはいけない、と言われていなくても「言わない方が良いな」と思われる様な事は、べらべらと関係者には話さない方が良い場合もあるので、お気を付けください。