警備員に限らず、その仕事に慣れてきた人ほど失敗する事があります。既に業務として身に付いているのに、慢心からくる油断でついミスをしてしまうのです。警備員として簡単な仕事で手を抜いたり、手順を飛ばして勝手なことをしたりと、ベテランになるほど正規の手順を踏まずに簡略化する事で失敗したりするのです。
ベテランは手の抜き方を知っている
警備員の仕事は現場にもよりますが、毎日同じことの繰り返しです。
しかも単純な業務である場合も多いので、仕事をすぐに覚える事が出来ます。
そんな単純な仕事なので、数年も同じ事を繰り返していると、警備員さんによってはだんだん手の抜き方を覚えるようになってしまう人もいます。
警備業務の多くは、面倒な手順や敢えて手の込んだ業務になっている事があり、普通に考えたら
「ここもっと近道すれば、早く仕事が終わる」
とわざわざ面倒な手順になっている事を、簡略化していわゆる「手を抜いた」仕事をしてしまうのです。
急がば回れではないですが、面倒であってもそれには意味があり、勝手な判断で効率が良いからと決して省略してはいけないのです。
しかし、何年も同じ事をしているベテランの域に達した警備員さんは、その先の仕事の流れも分かっているので、省略しても何も問題ないだろうと勝手な行動をし、そしてそんな時に限って失敗をしてしまうのです。
正規の手順を飛ばし失敗する
A地点からC地点まで行く巡回の時、やや道をそれてB地点を経由する巡回があったとします。
入ってまだ間もない様な警備員さんなら、教えられた通りにB地点も回ると思います。
しかし、ベテランの警備員になるとこのB地点を経由する時に、何も見るべきものも無く過去に一度も異常があった事もないのに、なぜわざわざ行かなければならないのか。
また、B地点を経由する事で余計な時間も取られる、と思う様になり
「時間も省略できるし、どうせ見回らなくても何も起きないだろう」
とB地点の巡回を飛ばしてしまう、という行動に出てしまう人がいたりするのです。
B地点の巡回をしたかどうかは誰にも分かりません。
しかし、そういう人に限って「B地点の見回りを飛ばして時間の節約が出来た」と自慢げに話したりするので容易に把握できます。
そしてそう時に限って、B地点で何か問題が発生して「見回っていない」事がいけない事であった、と分かるのです。
いつも何も発生していなくても、そして一見、遠回りまでして無駄な事をしている様に思えたとしても、それには意味があり、そして自分で勝手な判断で業務を省略してはいけないのです。
ベテランになればなるほど、仕事に関した事に詳しくなり手を抜く事を覚え、自分で業務内容を改変してしまう人も出てきます。
後に続く者のお手本になる行動を
その現場に配属した時に、先輩警備員から指導された業務内容を真面目にやっていたのに、いつの間にか自分がその現場で先輩となり、おおよそほとんどの業務を理解した時、仕事を効率よくするだとか省略しても大丈夫だ、という理由で勝手に改変してはいけません。
今までの警備員さんを見ていると、その様な行動をする人は残念な事に少なくありません。
後で何か問題が発生した時、当時の行動を聞き込みしていると
「そのやり方は指導されていないハズなのに、なぜそんな行動を取った?」
と聞くと、たいてい正規通りの行動をせずに、自分勝手な手を抜いた行動をしていた事が分かります。
失敗をしても、まだ正規通りの行動をしていれば擁護も出来ますが、自分勝手なそして手を抜いた行動をして失敗したのであれば
「それはいい加減な行動をした本人が悪い」
としか言えません。
先輩警備員としての立場になった者が、自分勝手な行動をして後に続く後輩の警備員にどの様な指導が出来るでしょうか。
手を抜いた仕事をしても良い、なんて指導しては失敗した時に
「あの先輩警備員が教えてくれました」
となったら責められるのは後輩を指導した自分自身です。
勝手な行動をして後に続く者まで巻き込むのではなく、たとえ面倒で無駄に見えるような業務でも、正規のやり方を指導するべきですよね。