どこの施設でもしっかりしていると思いきや、意外といい加減な対応をしている拾得物。今まではある程度しっかりしていたのですが、今の現場ではマニュアルすらない現場でした。一応クライアントに説明して拾得物の受付書を作成していただいたのですが、うまく活用できるでしょうか。
拾得物の対応マニュアルが無い現場
施設警備員は勤務先の施設で、拾得物の対応を任されている場合が多いです。
特に商業施設では、忘れ物や落とし物として届け出の件数が非常に多く、クライアントでは手が回らないという事で、警備会社へ拾得物に関する業務を任せている現場は多いと思います。
以前いた商業施設でもクライアント側は、印鑑を押す作業だけで後は全て警備員に任せていました。
書類の作成から警察署への届け、拾得物の保管の管理など警備員が行っていました。
私も警察署へ書類や貴重品を届けに行き、ある意味とても良い経験をさせていただいたと思っています。
あれが無ければ拾得物に関する知識は学べなかったでしょう。
警備員でも一部の人間しか対応していなかったので、指導して戴いた先輩警備員には今でも感謝しています。
そんな拾得物対応ですが、今の現場ではそういった対応は全くしていません。
そもそも拾得物が届けられる頻度が殆どなく、そのせいかクライアントでさえ拾得物に関する知識は皆無といってよいほどです。
そんな現場なので、拾得物に関するマニュアルさえなく、現金や貴重品などの拾得が上がってきたらどう対応するんだろう、と心配になる程でした。
拾得件数が少なく今まで放置
現場によっては拾得物が発生する事が殆どありません。
今の現場も来客が少なく、関係者の対応の方が多い様な現場では、落とし物が発生しても職員の所持品の場合が多く、落とし主も特定しやすくわざわざ拾得対応を必要としなかったようです。
結果、拾得物に関するマニュアルや受付簿の様な書類すらありません。
一応、来客もあるので万が一お客様が落とし物をした時の為に受付簿くらいはあった方が良いとクライアントには説明し、今現在では拾得物の受付簿を用意していただき、拾得の届けが発生しても対応できるまでにはなりました。
これ、我々よりも前の警備会社がいた時はいったいどうやって拾得対応していたのだろう、と不思議に思います。
いくら拾得対応のマニュアルが無くても、警備会社側としては無いと困るものです。
出入管理に届けられた拾得物は、一番初めに警備員が受け取ります。
マニュアルが無く、そのままクライアントへ渡すまでに時間がかかった時に、警備員側はとても不安になります。
現場にもよりますが、クライアントがお休みで出勤してこない日があった場合、拾得物はその間警備員が預かるのです。
もし高額な現金の入った財布を預かり「中身が減っている」なんて言われたら・・恐ろしくて容易に預かれません。
尻拭いは警備員へ
警備員は24時間施設内に常駐しています。
いくら従業員が遅くまで残留していたとしても、警備員以上残留する事は無いでしょうし、拾得物が一番初めに届けられるのは警備員です。
貴重品が届けられ警備員が預かる事になった時、何も書類を作成していないと警備員が盗んでいなくても「盗んだ」と疑われた時、無実を証明する事が出来ません。
余程そういった悪意のある事をする人がいなかったとしても、今後現れないという確証もありません。
拾得物に関する受付書類が無いという事は、警備員の身を守れない、という事にもつながります。
何か問題が発生したら責任は警備員、などといった目に遭いたくはありません。
落とし物が落とし主の手に渡り易くさせるのも目的ですが、拾得の受付の最前線の警備員が嫌な目に遭わないようにする為にも、拾得物のマニュアルは必要です。
自分の勤務する施設で、拾得物に関する取り決めが無いのなら、警備会社へ報告しクライアントと協議していただく事も必要かもしれませんね。