商業施設やお店などは開店時間というものがあります。決められた時間にお店を開くのですが、開店前の入り口の自動ドアは開く事が無いのですが、それを無理やりこじ開けて店内へ入ろうとするお客さんがたまに居ます。お店によっては防犯カメラがあるので、それを確認すると警備員が急いで現場へ駆けつけるのです。
開店前の自動ドアをこじ開けて入ろうとするお客さん
全ての商業施設が皆同じという訳ではありませんが、開店前の出入り口の自動ドアは、サムターンが解除され、更にセンサーカットされた状態で扉の前に立っても開く事は有りません。
センサーは、自動ドアのレール部分で入り切りが出来ますが、防災センターからでもコントロール出来るので、開店時刻と同時に全ての自動ドアのセンサーを入れる仕組みになっています。
そんな開店前の自動ドアなのですが、サムターンが開錠されているので、人力で開けようとすれば開いてしまうのです。
お客さんの中にはまだ開店前にもかかわらず、もう開店したと勘違いして自動ドアが開かない、と自分で自動ドアをこじ開けて店内に入ってしまう人がたまにいるのです。
開店前の防災センター内は、開店と同時に各センサーを一斉にオンする為に、静まり返り多少緊張感のある雰囲気になっています。
そして、自動ドアをこじ開けて入ってしまう人がいないか、防犯カメラでの注視もしています。
店内にある出入口全てに防犯カメラがあるので、それを警備員や設備担当などが見ています。
自動ドア付近には時計などがないので、お客様の立場になれば
「いつになったら開くのか、もしかして既に開店しているのに自動ドアが故障しているのではないか」
という思いから自分で無理やり開けて店内に入ってしまうのかもしれませんね。
自動ドアにはいくつかの種類がある
そんな自動ドアですが、中には人の手で無理やりこじ開ける事の出来ない自動ドアもあります。
古い自動ドアなどはレール部分や遠隔でセンサーをオンするタイプが多いのですが、それ以外では電気錠で管理できる自動ドアがあります。
これはあらかじめセンサーのオンとオフが設定でき、それ以外の時間では人力ではこじ開ける事が出来ません。
余りにも強い力で開けようとすれば開いてしまいますが、そこまで無理に開けると、防災センター内で発報します。
お客様でもこの電気錠タイプの自動ドアはさすがにこじ開けられる事は有りませんでした。
まあ、無理にこじ開ける前に施錠されていると勘違いし諦めているのかもしれません。
それほど電気の力で扉をロックしているのです。
施設警備員として勤務する時、比較的新しい商業施設などだと、この電気錠タイプの自動ドアが多いのかもしれません。
私は新しい商業施設の経験がないので、そこまで詳しくは分かりませんが、全ての自動ドアがこの電気錠のタイプであればいいのに、と思ってしまいますね。
お店全ての自動ドアの前に従業員を配置できない
そもそも、お客様が自動ドアを無理やりこじ開けてしまわない様に、開店前の出入り口全てに、従業員や警備員を配置すれば何の問題もありません。
人の手で開けられてしまう自動ドアでも、さすがに従業員や警備員が目の前に居れば扉越しに
「まだ開店前なので、扉に触れないようお願いします」
と声を掛ける事が出来、開けられるのを防ぐ事が出来ます。
実際、扉をこじ開けられる場所は決まって従業員や警備員などの関係者が誰も配置についていない無人の扉ばかりです。
それならば、出入り口全ての自動ドアに人を配置すれば解決する事なのですが、全ての自動ドアに人を配置するほどの人員がいません。
警備員もそうですが、従業員もその日に出勤している人数よりも自動ドアの数が多いのです。
開店前の自動ドアに配置する為だけに出勤させるわけにも行きませんし、出勤人数を増やしても人件費が上がってしまい非効率です。
その為、正面出入り口などお客様の入場の多い自動ドアから優先的に、人員を配置するのでもともと入場者の少ない出入り口時の自動ドアは無人となり、こじ開けられてしまう事になるのです。
まあ、施設側もこじ開け事案は想定内の事なので、開店前は防犯カメラを真剣に見ているのです。
商業施設の現場によっては、全ての出入り口の自動ドアに従業員を配置している所もあるでしょう。
出入り口の数や、出勤している従業員の数が釣り合っていれば可能な事ですね。
そして、こじ開けが発生すると、必ず警備員が持ち場を離れてこじ開けられた自動ドアまで急行し、フライング入店したお客様を探すのです。
知らずにこじ開けて入ってしまったお客様もいるでしょうから「侵入者」という扱いはしません。
「まだ開店前なので、もうしばらく自動ドアの外でお待ちいただけますか」
とこじ開けた自動ドアの外側まで案内するのです。
開店前の警備員は、この様な突発的な対応もしなければならないので開店するまでのギリギリの時間まで気が抜けないのです。