警備員にとって鍵の扱いはよく、命よりも大事と言われています。
恐らく、世の中の人が鍵に対する考えよりも警備員の方が重要視していると思います。
「あ、1本なくしちゃった、スペアだからまあいいか」では済まないのです。
警備員はクライアントから鍵を預かっています。しかも、マスターキーなどというカギも預かります。
これは、そのマスターキー1本あればその建物にある鍵穴全てを開けることが出来る、いわば某ゲームで言う処の
さいごのカギ
の様なものです。これを紛失するってことはどれだけまずいのかがわかると思います。
また、マスターキーでなくても巡回時に何本もの鍵を持っていくこともあり、
10本近くも持って巡回に出ていると1本位なくなっても気づかないんじゃないかと思いませんか。
なので、この不手際を防ぐために各警備会社では鍵台帳なるものを用意して
いつだれが、どのエリアの鍵を、何本借りたと記入させるようにしています。
この鍵を相勤者から本数を数えたうえで受け取る為、返す時に数が違うと、借りた人の責任になります。
なのでどのタイミングで鍵無なくなったかとすぐにわかってしまうのです。
このシステムは私の現場でももちろん行っていますが、以前はやっていませんでした。
恐ろしいことです
人間、誰でもミスはあります。ですがそれを防げる手段があるのに行わないのは愚かですよね。
なので、会社に説明してこの現場でも鍵台帳を付けるのを始めました。
しかし、今までやっていなかったことを新しく始めるのに抵抗がある人間がいるというのも事実で、
過去に問題がなかったのになんでやるの?
という言い分です。過去に問題がなかったからこの先もない、なんて保証はどこにも無いですよね。大半の警備業界内で常識なのに従えないなんて
警備員辞めてしまえ!
と、心の中で叫んだのは秘密です。
今では、この現場でも全員台帳に記入してから鍵を受け取る様になっていますが、その一部の隊員たちは私が休みの日などの勤務時に、台帳には記入こそしてありますが、受け渡しなどはせずに自分で勝手に持って行っているようです。
(タレコミ情報より)
まあ、全体で台帳記入させている事になっているので、もし鍵の紛失をやらかした日には彼らが会社からお叱りを受けるだけなので、放っておいています。
厄介払いができるなら、いっそ鍵をなくしてもらった方が・・・
おっと、隊長たるものこんな事は思っても口に出してはイケませんよ。